初めてのリフォームは分からないことばかりかもしれません。限られた予算でも、満足のいくリフォームを実現したいもの。失敗しないためにはきちんと基礎知識を身につけて、工事費の相場も事前に把握しておくことが重要です。
この記事では、失敗しないために身につけておきたいリフォームの基礎知識を5つのポイントに絞ってお伝えするほか、コストを安く抑えるために実践すべき4つの方法も紹介します。
リフォーム失敗しないために身につけておきたい基礎知識とは
まずはリフォームに失敗しないために身につけておきたい基礎知識を、5つのポイントに分けて紹介します。
- 1.リフォームの目的を明確にする
- 2.焦らず計画を練る
- 3.予算には余裕を持っておく
- 4.業者選びは慎重に行う
- 5.万一の失敗に備えての瑕疵担保責任の内容確認しておく
①リフォームの目的を明確にする
まずは「リフォームをしたい」と思った目的を明確にします。ゴールがきちんと定まっていないと、完成後に満足感を得られないばかりか、「失敗した」と感じてしまうかもしれません。
たとえばキッチンを新しいものに交換したいのか、それとも使い勝手の良いキッチンにしたいのかによってリフォームのかたちが変わってきます。前者であればキッチンを交換すれば満足するかもしれません。しかし後者の使い勝手の面は解消しない可能性があります。
リフォームによって、どのような暮らしを実現したいのかイメージすることが大切です。そしてその希望や条件をリフォーム会社の担当者へ伝え、どうしたら実現できるのか相談してみてはいかがでしょうか。
②焦らず計画を練る
リフォームは時間がかかります。まずイメージをするところから始まり、リフォーム会社へ相談し、現地調査をしてもらいます。そのあとにプランが提案されますが、1度で決める必要はありません。予算も含めて焦らず、じっくり相談することをこころがけます。
リフォームの内容によっては、ショールームの見学もおすすめです。実物を見ることができたり、最新設備を知ることができます。可能であれば、予約してから足を運ぶことをおすすめします。メーカーのプランナーが説明しながら案内してくれますし、必要に応じてプランも作成してくれますのでおすすめです。
毎週末リフォームの打ち合わせに時間を費やすことになるかもしれませんが、そこは妥協せず楽しんで計画を立てるようにします。
③予算には余裕を持っておく
リフォームは既存の建物の状態や劣化具合によって、追加費用が発生することがあります。たとえば浴室の下地が浸水によって腐食していたり、気づかないうちに雨漏りしていたりする可能性はゼロではありません。
打ち合わせを進めていくうちに、グレードが高い仕様に変更したくなることもあります。また、大きな工事になればなるほど手を付ける箇所が増えるため、追加費用が発生する可能性が高くなります。リフォーム工事の予算は、ある程度余裕を持って計画を立てるようにします。
無理な計画はおすすめしませんが、手持ち資金が足りない場合はリフォームローンを利用する方法もあります。高額になりそうな場合は、金融機関などに事前に相談しておくのがおすすめです。
④業者選びは慎重に行う
リフォームをするうえで、リフォーム業者選びは重要です。業者によっては、工事内容に得手不得手もあります。安易に決めず、慎重に選ぶようにしましょう。スキルについては施工実績や施工事例を確認することによって、ある程度判断できます。
担当者と打ち合わせを重ねていくうちにコミュニケーションが上手くいかないと感じたら、業者の見直しを検討します。打ち合わせの段階で誠実さが感じられなければ、工事中も不安になる可能性があります。リフォーム会社の規模だけでなく、担当者との相性も重視して決定するようにすることをおすすめします。
⑤万一の失敗に備えての瑕疵担保責任の内容確認しておく
瑕疵担保責任とは、リフォーム完了・引渡し後に発覚した瑕疵(不具合)について、リフォーム会社が負う責任のことです。民法では工事請負の場合瑕疵担保期間は1年としていますが、契約によって別途期間が定められていることもあるので、事前にその期間や内容について確認しておくことが重要です。
またリフォーム会社によっては。リフォーム瑕疵保険に入っていることがあります。その場合リフォームした箇所すべてが保険対象となり、構造耐力上主要な部分や雨水の侵入を防止する部分は5年間(それ以外は1年間)保証されます。できれば長期保証であったり、アフターフォローが手厚い会社を選ぶことをおすすめします。
リフォームで失敗しない計画の立て方と予算設定の仕方
リフォームで失敗しないためには、きちんと計画を立てて、予算をしっかり設定することが重要です。
- ・きちんと計画を立てる
焦って工事をする必要はありません。しかしある程度工事する時期を決めておかないと、いつまでたっても打ち合わせも進みません。
先にゴールを見据えて、そのゴールに向かって担当者と打ち合わせを進めるようにします。
- ・予算設定の仕方
リフォーム工事は見積書の金額以外に、追加で費用がかかる可能性があります。理由は既存建物の不具合や構造上の条件、自分自身の希望かもしれません。ギリギリの予算で計画してしまうと、あとで費用の捻出や計画変更などで大変な目に合うとも限りません。予算は余裕をもって計画します。
とくに大規模な工事や工事範囲が広い工事は、追加予費用がかかる可能性があります。また事前に追加になる可能性がある費用を確認しておくことも、トラブル回避に繋がります。
リフォームの場所別の相場はどれくらい?
予算を決めるといっても、ある程度相場が分からないとイメージがつかめないかもしれません。依頼先や工事内容、選ぶ仕様によっても大きく異なる可能性がありますが、ここでは一般的な相場をそれぞれの場所ごとに紹介します。
またバス単体の工事よりも、バスとキッチンを一緒に工事する方が割安になる可能性があります。また浴室やキッチンなどはとくに、選ぶ設備によっては相場の2倍以上かかることもあります。あくまでも参考値として考えます。
- ・バスのリフォーム
- ・キッチンのリフォーム
- ・トイレのリフォーム
- ・内壁
- ・外壁
- ・屋根
バスのリフォーム
バスのリフォームはいくつかのパターンが考えられますが、大きく分けると以下の2つのパターンになります。
- ・ユニットバスからユニットバスに交換:60~100万円
- ・タイル張りなど浴室からユニットバス:80~150万円
ユニットバスからユニットバスへ交換する場合は、基本的には大きく構造を変える必要がないため、従来のタイル張りの浴室から変えるのに比べて安価でリフォームできます。
一方、タイル張りの在来工法の浴室は解体する手間と処分費が余分にかかるため、その分割高になります。
上記には給湯器は含まれていませんので、交換する場合は追加でかかります。(+ 15〜25万円)また断熱窓に交換したり、シャワーヘッドを特別仕様にするとその分予算がかかります。
キッチンのリフォーム
キッチンを交換する場合の一般的な相場は、少し幅がありますが60〜300万円程度です。システムキッチンにはメーカーごとにも価格帯の異なるグレードがあり、ミニキッチンといわれるようなタイプから豪華なグレードまであります。
キッチンの位置を変えない場合は配管やダクトを延長するなどの工事は不要ですが、配置を変える場合は配管などの延長工事と内装工事が必要になります。その分予算がかかりますので、費用対効果を考えて工事内容は検討します。
トイレのリフォーム
トイレのリフォームは20〜30万円が相場です。便器や温水洗浄便座のみの交換であれば、比較的安価で工事できます。床のクッションフロアと壁のクロスを張り替えるとその分費用がかかりますが、工事自体は1日程度の工事です。
クロスを変える場合はタオル掛けだけ古いと目立つため、一緒に交換するとよいでしょう。
ちなみに和式から洋式の便器に変える場合は、既存の床工事も必要になります。状況によっても異なりますが、30〜40万円が相場です。
内壁
壁のクロスを張り替える場合の相場は以下の通りです。ただし既存の壁が砂壁や布製のクロスの場合は、撤去に手間がかかるため、その分費用は高くなります。
クロスにもグレードや性能があり、選ぶクロスによっても工事費は変わってきます。撥水や防カビなどの機能を持ち合わせたタイプもありますので、必要に応じて選択します。
広さ |
費用 |
4畳程度(31㎡程度) |
4万円前後 |
6帖程度(40㎡程度) |
5万円前後 |
8帖程度(48㎡程度) |
7万円程度 |
10帖程度(54㎡程度) |
8万円程度 |
外壁
外壁を塗装する場合、依頼先や使う材料によっても異なりますが100〜200万円が相場です。基本的には足場代や高圧洗浄、養生費などが含まれます。せっかく足場を組みますから、外壁だけでなく鉄部など付帯する部分の塗装代も含まれていることがほとんどです。
また部分的にタイルが貼ってある場合には補修が必要であったり、外壁に亀裂がある場合は補修が必要になる場合もあります。その場合は余分に費用がかかると考えます。外壁を交換するのはまれですが、その他に外壁材を上張りする方法などもあります。
屋根
屋根のリフォームは、既存の屋根材によって異なります。一般的にスレート葺きやガルバリウム鋼板の屋根は塗装することが多いです。美観以外にも塗膜によって屋根材を保護する役割があります。相場は塗料によっても異なりますが、80万円〜150万円が相場です。
塗装以外には、カバー工法や葺き替えなどのリフォーム方法がありますが、塗装に比べて工事費用は高くなる傾向があります。
カバー工法や葺き替えに関しては依頼先や条件によってピンキリです。かなり幅がありますが、100〜250万円を想定します。
屋根の種類 |
一般的なリフォーム方法 |
スレート葺き・ガルバリウム鋼板の屋根 |
塗装工事またはカバー工法 |
瓦葺き |
葺き替え |
リフォームのコストを抑えるためには
リフォームは追加費用が発生する可能性もありますから、なるべく当初の費用は抑えておきたいものです。ここからはリフォームのコストを抑えるためにできる、方法やポイントを紹介します。
- 1.要望の優先順位を決める
- 2.値下げ交渉をする
- 3.仕様を見直す
- 4.減税・補助金制度を活用する
要望の優先順位を決める
リフォームを検討する場合は、かならず優先順位を決めます。やりたいことをすべてやろうとすると、費用は際限なくかかってしまいます。
たとえば交換する必要があるものを優先し、直せるものは修理します。ただし叶えたい希望は採用しないと、何のためのリフォームなのか分からなくなります。メリハリが重要だと心得ます。
値下げ交渉をする
リフォーム工事を検討する場合は、相見積もりをおすすめします。しかし極端に安いリフォーム業者には注意が必要です。安かろう悪かろうでは意味がありません。
複数の見積書を見ると、その会社ごとに特色があることが分かります。工事費が安い会社があれば、キッチンやユニットバスが安い会社などがあります。圧縮できるところがないか比較し、値下げ交渉をしてみます。しかし過度な値引きは心証が悪くなり、よい結果をもたらしませんので注意が必要です。
仕様を見直す
見積書を見直し、使用する建材や設備の仕様を変更して費用を削減します。担当者に予算を伝えて相談すると、要望に合った提案をしてもらえる可能性があります。
たとえば特注品ではなく既製品を使う、設備のグレードの変更などできないか見直してみます。ほかにも工事範囲を減らしたり、部分的に将来へ見送るなどの方法もあります。
減税・補助金制度を活用する
耐震改修やバリアフリー改修、省エネ改修などに該当するようなリフォーム工事は、減税制度や補助金が使える可能性があります。それぞれ期限や要件があるため、詳細についてはリフォーム会社に相談することをおすすめします。
ただし担当者が減税や補助金に詳しくない場合もあります。後悔しないためにも、鵜呑みにせず自分でもネットなどで調べることをおすすめします。
まとめ
リフォーム工事は意外と手間と時間がかかります。しかし事前に計画して、リフォーム会社をしっかり吟味することができれば、失敗する可能性を軽減することができます。
見積もりは相見積もりをして、かならず比較してから決定するようにします。安易に契約をしてしまうと、思わぬ高額工事になってしまうこともあります。
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