この記事では、年収700万の方が住宅ローンを組む際の借入額の目安や、無理のない返済計画の立て方について詳しく解説します。住宅ローンの借入額は年収によって大きく左右されます。年収が多ければ、それだけ高額な住宅ローンを組むことができるでしょう。一方で、無理のない返済計画を立てることも重要です。
住宅購入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
年収700万で組める住宅ローンの目安はいくら?
年収700万の方が住宅ローンを組む際、借入額の上限はいくらくらいなのでしょうか。まず大まかな目安として、年収の4~5倍程度までが無理のない借入額と言われています。年収700万の場合、借入上限額は2800万円~3500万円くらいになるでしょう。
ただし、この上限額はあくまで目安であり、個人の返済能力や生活スタイルによって変わってきます。住宅ローンの借入上限額を具体的に把握するためには、2つの方法があります。1つ目は「年収倍率」から考える方法、2つ目は「返済負担率」から考える方法です。それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
年収倍率から考える
年収倍率とは、年収に対する借入額の倍率のことを指します。年収倍率から住宅ローンの借入上限額を計算する場合、次のような計算式になります。
・年収 × 借入倍率 = 借入上限額
一般的に、住宅ローンの借入倍率は年収の4~5倍程度が上限と言われています。これは金融庁が示している目安であり、これ以上の借入は返済負担が重くなりすぎるリスクがあるためです。年収700万の方の場合、借入倍率を6.5倍とすると、借入上限額は以下のように計算できます。
・700万円 × 6.5倍 = 3500万円
つまり、年収倍率から考えると、年収700万の方が無理なく借りられる住宅ローンの上限は3500万円程度ということになります。
返済負担率から考える
返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合のことを指します。返済負担率から住宅ローンの借入上限額を計算する場合、次のような計算式になります。
・年収 × 返済負担率 ÷ 12ヶ月 = 月々の返済額の上限
返済負担率は、住宅ローン以外の借入も含めて30%以下に抑えるのが理想的といわれています。仮に返済負担率を28%とした場合、年収700万の方の月々の返済額の上限は以下のように計算できます。
・700万円 × 28% ÷ 12ヶ月 = 約16.3万円
この月々の返済額をもとに、借入期間や金利から逆算すると、借入上限額を算出できます。例えば、借入期間35年、金利0.9%の場合、借入上限額は約4200万円になります。
ただし、この計算にはボーナス払いや繰上返済は考慮されていません。実際の借入上限額は、返済方法によって変動します。
住宅ローンを借入限度額まで借り入れするリスク
先に紹介した年収倍率や返済負担率から導き出される借入上限額は、あくまで最大限借りられる金額の目安に過ぎません。この上限額ギリギリまで借り入れてしまうと、返済が困難になるリスクがあります。
住宅ローンは返済期間が長期に及ぶため、その間に収入が減少したり、予期せぬ出費が発生したりする可能性があります。そのため、借入額は余裕を持って設定しておくことが大切です。
仮に返済が滞ってしまった場合、延滞利息の発生や信用情報への悪影響など、深刻な事態を招くおそれがあります。最悪の場合、自己破産に追い込まれ、せっかく購入した住宅を手放さざるを得なくなることも。
住宅ローンの借り入れ額は慎重に検討し、無理のない返済計画を立てることが何より重要です。年収700万の方の場合、安全圏としては年収の3~4倍程度の借入額でおさめておくのがおすすめです。
年収700万で住宅ローンを無理なく返せる額は?
住宅ローンを「無理なく返済できる」と感じる住宅ローン額は人によって異なります。そこで、年収700万円の人が様々な金額の住宅ローンを組んだ場合のシミュレーションを行い、月々の返済額がどのようになるかを比較してみましょう。
シミュレーションの条件は以下の通りです。
【シミュレーションの条件】
- 返済方法:元利均等返済
- ボーナスタイプ:ボーナス払いなし
- 返済期間:35年
- 金利タイプ:変動金利
- 金利:0.475%
3,000万の住宅ローンを借入した場合
年収700万円の人が3,000万円の住宅ローンを組んだ場合、月々の返済額は約7万8,000円となります。返済負担率は約13%で、年収に対してかなり余裕のある返済額といえるでしょう。ゆとりを持って返済ができ、教育費など他の出費にも対応しやすい水準です。
4,000万の住宅ローンを借入した場合
4,000万円の住宅ローンを組んだ場合、月々の返済額は約10万3,000円となります。返済負担率は約18%で、まだ余裕はありますが、ある程度家計にも影響が出てきます。とはいえ、無理のない水準であり、ライフプランに大きな影響を与えることはないでしょう。
5,000万の住宅ローンを借入した場合
5,000万円の住宅ローンを組んだ場合、月々の返済額は約12万9,000円となります。返済負担率は約22%となり、徐々に負担感が生じます。教育費の捻出など、他の出費を切り詰める必要が出てくる可能性もあるでしょう。
ただ、返済自体は不可能ではなく、計画的にやりくりすれば返済は続けられる水準です。
6,000万の住宅ローンを借入した場合
6,000万円の住宅ローンを組んだ場合、月々の返済額は約15万5,000円となります。返済負担率は約27%で、返済がきつく感じられる場合があります。人によっては教育費など他の出費は最小限に抑える必要があり、返済のためにかなり家計を切り詰めなければならないでしょう。
金利上昇などのリスクに対応できる余裕はなく、返済が難しくなる可能性があります。
年収700万で住宅ローンを組む際のポイント
年収700万円で住宅ローンを組む際は、以下のポイントに注意しましょう。
- ●頭金を用意して住宅ローンの借入額を減らす
- ●返済負担率は25%以内にすること
- ●返済計画は無理のない範囲で立てること
年収700万円という比較的高い年収であっても、住宅ローンは長期の返済となるため、将来を見据えた計画的な借り入れが重要です。ポイントを押さえて、無理のない返済を心がけましょう。
頭金を用意して住宅ローンの借入額を減らす
頭金を用意することで、住宅ローンの借入額を減らせます。借入額が少なくなれば、その分返済額を抑えられ、家計の負担を軽減できる点がメリットです。
最近では、頭金なしのフルローンで住宅を購入する人も増えています。頭金を用意できない場合でも家が買えるというメリットがある一方、返済額が高くなるというデメリットもあります。金利上昇のリスクを考えると、可能な限り頭金を用意するのがおすすめです。
返済負担率は25%以内にすること
返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合のことです。返済負担率が高すぎると、ローンの返済で手一杯になり、他の出費が制限されてしまいます。一般的に返済負担率は25%以内に抑えるのが望ましいといわれています。ローンの借り入れ時は、この返済負担率を考慮して、年収に見合った借入額に抑えることが重要です。
シミュレーションの結果でもわかる通り、年収700万円の場合、5,000万円までの借り入れが返済負担率25%以内となります。
返済計画は無理のない範囲で立てること
住宅ローンの返済期間は最長35年と非常に長期にわたります。その間には、ライフステージの変化や金利上昇など、様々なリスクが考えられます。そのため、返済計画は余裕を持って立てることが大切です。
月々の返済額は、現在の生活を圧迫しない水準に抑えたうえで、教育費などの他の出費を想定して計画を立てましょう。できれば返済負担率20%程度を目安とし、金利上昇にも耐えられる計画を立てることをおすすめします。
まとめ
年収700万円で3,000万円〜5,000万円程度の住宅ローンを組むのが、返済負担的に無理のない目安といえるでしょう。ただし、住宅ローンは人生における最大の買い物であり、ライフプランに大きな影響を与えます。そのため、年収だけでなく、ライフプランや金利動向など様々な要素を考慮したうえで、慎重に借入額を決める必要があります。
頭金を用意する、返済負担率を適正に保つ、長期的な視点で返済計画を立てるなど、ポイントを押さえることが大切です。年収に見合った適正な住宅ローンを利用し、マイホーム購入を豊かな人生の第一歩にしましょう。
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