そろそろ一軒家が古くなってきて建て直しをしたいけれど、どれくらい費用がかかるのか分からないと不安に感じていませんか?一軒家の建て替えは、新築や中古物件の購入とは違う固有の支出があるため、建て替え費用の相場を知っておかないと、後になって想定外の支出が発生するかも知れません。この記事では一軒家の建て替えを検討している方むけに費用相場や費用の内訳について解説しています。
そもそも建て替えとは
建て替えとは、住宅の基礎部分まで取り壊し、更地にしてからゼロから住宅を建築することです。建物の老朽化で改築や修復をしたほうがかえって費用がかかる場合や、位置や向きを変えるときなどに建て替えが行われます。
リフォームとの違い
リフォームとは基礎部分を残した状態で、既存住宅の修繕・増改築をすることです。
建て替えやリフォームの規模にもよりますが、基礎部分から新たに行う分、どちらかというと建て替えのほう高額で、工期も長くなる傾向があります。
【建て替えとリフォームの違い】
建て替え | リフォーム | |
基礎部分 | 基礎部分を取り壊して新たに住宅を建築 | 基礎部分は残し、住宅の修繕・増改築をする |
工事にかかる費用相場 | 約1,500万~約4,000万円 | 約350万~約2,500万円 |
1坪あたりの工事費用の相場 | 約65万~約90万円 | 約10万~約60万円 |
工期の目安 | 4~8ヶ月 | 1~4.5ヶ月 |
改修費以外に係る費用 | 解体費・撤去費・仮住まい費用・引越し費用など | 工事規模によっては仮住まい費用や、引越し費用がかかる |
特徴 | 設計の自由度が高い | 間取りや広さに制約を受けることがある |
一軒家の建て替えにかかる費用の相場
国土交通省 住宅局「令和3年度住宅市場動向調査報告書」によると一軒家の建て替え費用は平均3,299万円、うち自己資金は1,828万円で、立て替え費用に対する自己資金の割合は55.4%となっています。建て替えをする方は、比較的大きな自己資金を準備しているケースが多いようです。
引用元:令和3年度住宅市場動向調査報告書
一軒家の建て替えにかかる費用の内訳
一軒家を建て替える場合、主に次のような費用がかかります。
- ・解体工事費用
- ・測量費
- ・地盤調査費用
- ・設計料
- ・建築費
- ・引越し費用
- ・諸費用
各費用の概要と、費用の相場を見ていきましょう。
解体工事費用
建て替えをするには、まず古い家を解体する必要があります。解体工事費用の相場は、木造、鉄筋コンクリート造、軽量鉄骨造といった建物の構造や、周辺環境によって異なりますが以下の通りとなります。
【解体工事費用の相場】
構造 | 坪単価 |
---|---|
木造 | 約4万~約5万円 |
軽量鉄骨造 | 約6万~約7万円 |
鉄筋コンクリート造 | 約7万~約8万円 |
測量費
測量とは土地の形状や面積などを正確に把握し、隣地との境界の認識を一致させることです。建物を建てる際、建築基準法によって定められた建ぺい率や容積率などの制限を受けます。
建ぺい率とは敷地面積に対する建物面積の割合、容積率とは敷地面積に対する延床面積の割合のことを言いますが、建ぺい率や容積率がオーバーしていると、違法建築物にあたるため建てることができません。
測量をするの目的の一つは、敷地面積を明らかにして、建て替えた家が違法建築物にならないようにするためです。
また隣地との境界をあいまいにしたまま解体工事を始めると、隣の方が自分の敷地と思い込んでいた場所まで解体してしまい、思わぬトラブルに発展してしまうかもしれません。
測量は土地家屋調査士や調査士に依頼する必要があり、測量の目的によって測量費は変わりますが、建て替えのための測量であれば30万円前後が相場です。
地盤調査費用
建物のように重量があるものを建てるときは、地盤に十分な強度があるか確認が必要になります。
仮に地盤が弱い土地に何の対策もなく建物を建てると、建物が傾いたり、地震が起きたときに地盤沈下や液状化が起こりやすかったりする危険性があるため、地盤調査は大変重要です。
地盤調査方法には、建設する場所に鉄の棒を差して測定する「スウェーデン式サウンディング試験」と、機械で穴を掘って調査する「ボーリング調査」があり、所要時間や調査費用の相場は以下の通りです。
【スウェーデン式サウンディング試験とボーリング調査の所要時間と調査費用の目安】
スウェーデン式サウンディング試験 | ボーリング調査 | |
所要時間 | 半日~1日程度 | 1日~数日程度 |
費用 | 約5万円 | 約20万円 |
仮に地盤調査の結果に問題があった場合は、セメントを流し込んで地盤を補強する「表層改良工法」や、地面に鋼管を打ち込み、地面を補強させる「鋼管杭工法」などの地盤の改良工事が行われます。
設計料
新たに建て替える一軒家の設計を設計事務所に依頼する場合は設計料がかかります。設計料の目安は建築費のおおよそ約10%程度です。
建築費
建築費とは、建て替えをする際に生じる費用のことで、建物工事や設備工事の作業費、材料費などさまざまな費用がかかります。
建築費は木造、鉄筋コンクリート造、軽量鉄骨造といった建物の構造によって異なりますが、先に述べた通り1坪あたりの工事にかかる費用の相場は約65万~90万円のため、仮に30坪であれば1,950万~2,700万円、40坪の場合は2,600万~3,600万円が建築費となります。
引越し費用
建て替えをすると、自宅を取り壊すため引越しをする必要があります。また新しく住居が完成すると、戻ってくるときの引越し代もかかります。家族構成や距離を考慮したうえで、2回分の引越し代を確保しておきましょう。
また建て替えには5~8ヶ月程度の期間を要します。その間、実家などで暮らせれば費用はかかないと考えられますが、賃貸アパートなどで生活をするときはその間の家賃がかかります。敷金や礼金、仲介手数料なども忘れずにチェックしておきましょう。
諸費用
建て替えの際も登記費用や印紙税などの諸費用がかかります。代表的な諸費用を紹介します。
●印紙税
建て替えの場合は、建設工事請負契約書の印紙税が必要です。2024年3月31日までの間に作成した建設工事請負契約書のうち、契約書に記載された契約金額が100万円を超えるものは軽減税率が適用されます。
●登録免許税
建て替えの場合は、建物を解体したときに建物滅失登記、建て替えた家を登記するときの所有権保存登記が必要です。また住宅ローンが残っていて、建て替えローンなどを利用するときは、抵当権抹消登記、抵当権の設定登記も必要になります。
●司法書士報酬
登記手続きを司法書士に依頼するときは司法書士報酬がかかります。登記手続きは自分でもできないこともありませんが、書類をそろえたり、登記申請書を作ったりと手間がかかるため、お任せしたほうが良いかもしれません。
●不動産取得税
土地や建物の取得時に一度だけかかる地方税です。土地や建物の課税標準額に4.0%(2024年3月31日までは軽減税率が適用となり3.0%)を乗じて計算します。
●火災保険料/地震保険料
建物が火災や洪水、台風などの天災で損害を受けたときなどの修理代を補償します。地震による損害は火災保険だけでは補償されないため、別途地震保険に加入する必要があります。不安な方は地震保険の加入も検討しましょう。
一軒家を建て替える際の注意点
一軒家を建て替える際は、以下の2点には注意が必要です。
- 再建築不可物件では原則建て替えできない
- 近隣住民に挨拶する
注意点についてそれぞれ解説します。
再建築不可物件では原則建て替えできない
再建築不可物件とは、現在の建物を更地にすると、新たに建物を建てられない物件のことです。
都市計画法で定められている、都市計画区域と準都市計画区域で建物を建てる場合、建築基準法の接道義務※を満たす必要があります。接道義務とは、敷地に建物を建てる場合、幅員4メートル以上である建築基準法上の道路に建物の敷地が2メートル以上接していなければならないという法律で定められている義務です。
しかし、建築基準法は1950年に定められ、都市計画法は1968年に定められたことから、築年数が古い物件は接道義務を満たしていないことがあります。原則こうした物件は、再建築不可物件として扱われ、建て替えができません。
ただし、道路側の隣接地を借りる、あるいは購入して幅員2メートル以上にすることで接道義務を果たす。道路に接している敷地を後退させることで道路の幅員を4メートル以上にする(セットバック)。43条但し書き申請で再建築の許可を得る。道路の位置指定を申請するなど、再建築不可物件の救済措置もあります。
近隣住民に挨拶する
取り壊しが始まると工事の音や、取り壊しによる砂ぼこり、工事車両の出入りなど少なからず近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性があります。
建て替えをするときは、のし付きの品を持ってあらかじめ近隣住民に建て替えの挨拶をしておくとクレームやトラブルを減らせるでしょう。
また工事の直前で挨拶をするのも、あまり良いイメージを持たれない可能性があります。できれば挨拶は施行開始の10日前くらいが良いかもしれません。なお挨拶の範囲は、なるべく広範囲の方にしておいたほうが望ましいですが、少なくとも向かいと両隣り、裏の家にはしておきましょう。
まとめ
建て替えとは住宅の基礎部分まで取り壊し、ゼロから住宅を建築することです。建て替えも新築や中古受託同様、物件価格以外に諸費用がかかる他、解体工事費用や引越し費用など特有の費用もかかります。建て替え検討中の方は、今回紹介した各費用の相場を参考に、余裕を持った資金計画を立ててください。
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