さまざまなカラーや柄があり、室内の雰囲気を大きく左右する「壁紙」。新しく家を建てようと思っている方や、リフォームを検討している方は、壁紙の選び方に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 

この記事では、壁紙選びの基礎知識から、壁紙の色や機能を選ぶときのポイントまで詳しく解説します。 

壁紙選びを失敗して後悔したくない、たくさんの種類の中から自宅に貼る壁紙の選び方を知りたいという方は、ぜひ最後までお読みください。 

壁紙選びはイメージから

壁紙を選ぶ際は、それぞれの部屋でどのように過ごしたいか、どういった雰囲気にしたいかをイメージするところから始めましょう。 

気持ちが晴れやかになる部屋にしたい場合は、白やグリーンなど明るい壁紙を選び、ゆったりと落ち着ける部屋にしたい場合は、黒や茶色などシックな色の壁紙にするなど、部屋のイメージに合わせて壁紙を決めていくのがおすすめです。 

また、家族が集まるリビングは明るく爽やかな壁紙にし、一人で仕事や読書をする書斎は落ち着いた色の壁紙にするといったように、部屋ごとに壁紙を変える方法もあります。 

友人など家族以外の人を招き入れるリビングはシンプルにし、自分の個室は自分好みの柄を使うのはいかがでしょうか。 

トイレは部分的に柄や色が異なるアクセントクロスを使ったり、特徴的な柄が入った壁紙にしたりして遊んでみてはいかがでしょうか。 

壁紙選びのカラーコーディネートで後悔しない方法

壁紙選びの際、カラーコーディネートで後悔しない方法は次の2つです。

  • 床やドアと色調を合わせる
  • 全体の色数は3色までに絞る 

まず壁紙を選ぶときには、床やドアと色調を合わせるようにしましょう。下記の組み合わせにすると部屋に統一感が出るので、ぜひ参考にしてください。 

  • 無彩色やこげ茶の床:グレー系の壁紙
  • 茶色や赤系の床:ベージュ系の壁紙
  • 白や茶色、黒の床:白系の壁紙 

また、色を多く使うと落ち着かない雰囲気になってしまうため、壁紙の色は一部屋につき3色までにしぼるのがおすすめです。 

色を複数使う場合は、薄めのカラーの割合を多くするとまとまりやすくなります。次は、床の色ごとに合う壁紙の種類についてお伝えします。

無彩色やこげ茶の床

無彩色やこげ茶など暗い色を床材に使うと圧迫感があるため、壁紙を明るい色にして開放感を出すのがおすすめです。 

グレーやレンガ調の壁紙を合わせるとヴィンテージ感のある部屋になり、落ち着いたおしゃれな雰囲気の部屋にしたい方にぴったり。 

黒色の床にモノクロの家具を合わせるとクールな印象に、こげ茶の色に木製の家具を置くと温かみのある印象になります。

グレー系の床

グレーの床はクールな印象になり、非日常的な空間を演出してくれます。グレー系の床は木目の壁紙との相性が良いので、ぜひ取り入れてみてください。 

白や黒などの無彩色の壁紙を合わせると洗練されたイメージになります。無機質でシンプルなデザインが好きな方におすすめです。 

よりスタイリッシュな部屋を目指すなら、ソファやテーブルなどの家具も白と黒で統一しましょう。

白・茶系の床

白やミディアムブラウン、ライトブラウンなどの明るい色の床は、開放感のある部屋になります。白・茶系の色はさまざまな壁紙と合わせやすいですが、グレーや寒色系の壁紙にするとシックな雰囲気を演出できます。 

白・茶系の床色とグレーや寒色系の壁紙を合わせ、木製の家具を置いて北欧風の部屋にするなど、好みに合わせた部屋を作ってみてください。 

また壁紙も明るい色を合わせると、光が反射して温もりを感じられる部屋になるのでおすすめです。 

失敗しない壁紙・クロスの選び方

次に、壁紙やクロスを選ぶときのポイントについて解説します。 

自宅に貼る壁紙やクロスを決める際に、サンプルやカタログを見て直感で選んでしまい、いざ施工をしてから「イメージと違った」「壁紙だけデザインが浮いてしまっている」といったケースも。 

こうした失敗をしないために、壁紙やクロスを選ぶときのポイントは次の通りです。

  • 大きなサンプルで見る
  • 部屋全体のバランスを考える
  • 床、天井とのコーディネート 

壁紙やクロスを選ぶ際はこれからお伝えするポイントを押さえ、自宅の壁に貼ったときにしっくりくるものを購入しましょう。

大きなサンプルで見る

壁紙やクロスを選ぶ際は、大きなサンプルを見て判断しましょう。 

実際に施工すると、カタログやサンプルよりも明るく見える傾向があります。そのため、施工会社に最低でもA4サイズ以上の大きなサンプルを用意してもらうのがおすすめです。 

サンプルをチェックするときは、自宅の照明の下や壁に当て、実際に光が当たったときにどう見えるのか確かめてみましょう。

部屋全体のバランスを考える

壁紙を選ぶときは壁紙のデザインだけでなく、部屋全体のバランスも考えて決めましょう。天井や、床、設置する家具、窓とのトータルバランスを考え、壁紙の色や柄を選ぶのが失敗しないコツです。 

部屋のバランスを考えて壁紙を選ぶ場合は、先ほどお伝えしたように床色に合わせて壁紙を選んだり、雑誌やインターネットでいろいろなコーディネートを見て参考にしてみてください。

床、天井とのコーディネート

壁紙を選ぶときには、床や天井とのコーディネートも考慮しましょう。 

たとえば床→壁→天井の順に明るくすると、天井が高く感じ、部屋も広く見えます。逆に、床→壁→天井の順に暗くすると、落ち着いた雰囲気になります。 

なお、見切り材(廻り縁)がない場合は、壁と天井を同じクロスにするとより広く見え、すっきりとした印象になります。参考にしてみてください。 

機能性壁紙を効果的に使おう

続いて壁紙の機能について解説します。 

最近の壁紙は多機能化が進んでおり、コロナ禍以降には抗菌効果があるものも注目されるようになりました。 

壁紙の主な機能は次の通りです。

  • 消臭効果 
  • 防カビ効果 
  • 抗菌効果 
  • 耐久効果 
  • 吸湿効果 
  • 防汚効果 

壁紙を選ぶ際は機能性もチェックし、それぞれの部屋に合ったものを選ぶのはいかがでしょうか。ここからは、それぞれの機能の用途や、使用に適した部屋について詳しくお伝えします。

消臭効果

消臭効果のある壁紙は、部屋の中のニオイを吸着し、消臭する効果があります。消臭効果のある壁紙は比較的単価が高いものの、ニオイがこもりやすいトイレなどに効果的です。 

表面に消臭剤を加工を加工してあり、ニオイの元となる臭気ガスを吸着し、化学反応を起こすことでニオイを消します。 

生ゴミやトイレ、ペット臭だけではなく、新築を建てたときやリフォームをした直後に発生するホルムアルデヒドを減らす効果もあります。 

一度壁紙を貼ると消臭効果は約10年持続するため、壁紙の貼り替え時期まで効果を期待できるでしょう。

防カビ効果

防カビ効果のある壁紙は、湿気を吸ったり通気性を良くしたりすることで、カビの繁殖を防ぐ効果があります。アパートなどは防カビ効果しかついていないことが多いため、消臭または抗菌効果までは見込めないでしょう。 

カビ対策として、日当たりが悪く、湿気がたまりやすい場所に防カビ効果のある壁紙を貼るのが効果的です。また洗面所やキッチン、トイレなどの水回り、クローゼットの壁に貼るのもおすすめです。

抗菌効果

壁紙は抗菌効果があるものも注目されています。たとえば、壁紙に付着したウイルス表面のタンパク質を変質させて不活化し、減少させるものがあります。 

抗菌効果のある壁紙は細菌の増殖も防げるため、洗面所やキッチンなどの水回りや、玄関やリビング、子ども部屋などのよく手で触れる部分に貼ると効果的です。 

また、花粉やダニなどのアレル物質の働きを弱める抗アレル効果のある壁紙もあります。スギ花粉やダニの死骸・フンを吸着し、壁紙の表面に塗られた薬剤がアレル物質の働きを弱めるため、アレルギー症状を押さえることが期待できます。

耐久効果

引っかきキズや衝撃に強く、汚れも付きにくい耐久効果が高い壁紙もあります。通常の壁紙よりもキズが付きにくく汚れを落としやすいため、お子さんやペットがいるご家庭におすすめです。 

壁に物をぶつけたり、ペットが引っかいたりしても表面がはがれにくいのが特徴。また、クレヨンで落書きをしても、汚れによって差はありますが布にエタノールをふくませてこすれば拭き取れます。 

耐久効果のある壁紙は、手によく触れる場所や子供部屋に貼るのはいかがでしょうか。

吸湿効果

吸湿効果のある壁紙は、湿気を吸って適切な湿度に調整してくれるため、快適に過ごせます。 

吸湿効果のある壁紙には主に次の2種類があります。

  • 吸放湿壁紙:吸水性ポリマーが使われており、夏は湿気を吸い、冬はため込んだ湿気を発散する効果がある
  • 通気性壁紙:透湿性が高く、湿気を排出して結露やカビの発生を抑える効果がある 

吸放湿性のある壁紙は、湿気を吸い込むだけでなく、乾燥している時期には水分を放出するのが特徴です。通気性壁紙は、石膏ボードと組み合わせるとホルムアルデヒドを低減する効果もあります。

防汚効果

水回りや子ども部屋に使う場合は、防汚効果のある壁紙がおすすめです。食品包材にも使用される安全性の高いフィルムを使っているものもあり、食材を扱うキッチンでの使用にも適しています。 

防汚効果の高い壁紙は表面がラミネート加工されており、付着した汚れを拭き取りやすいため、お手入れもしやすいのがメリットです。油汚れが付いたときにも中性洗剤で拭き取れ、清潔な状態を維持できます。  

人気のおしゃれな壁紙「アクセントクロス」の選び方

部屋に変化をつけるために、アクセントクロスを利用するケースが増えています。アクセントクロスは部分的に異なるデザインを取り入れることで、メリハリをつける効果があります。 

壁の一面にアクセントクロスを使うほか、天井のデザインだけを変えたり、柱や壁の隅にアクセントクロスを使用したりするパターンも。家具などで隠れない壁面や天井に多く使われています。 

それでは、アクセントクロスの選び方について解説します。

アクセントクロスの割合

アクセントクロスの割合は、壁全体の20~30%にしましょう。 

アクセントクロスを使い過ぎるとインパクトが強く、落ち着かない部屋になってしまいます。4面の壁があったら1面を違うデザインの壁紙にすると、ちょうど良いバランスになります。 

またアクセントクロスのデザインを選ぶ場合は、リビングは家具や小物と合わせやすいグレーにする、子ども部屋は花柄や星柄にして遊び心を出すなど、部屋によって変えるのはいかがでしょうか。

メリハリをつける

アクセントクロスを選ぶときは、基本の壁の色と異なる系統の色を取り入れ、メリハリをつけるようにしましょう。 

たとえば部屋の3面を白色の壁紙にし、残りの1面をベージュやグレーを使うと、同系色のためあまり印象が変わりません。かえって白色の壁紙と比べてくすんで見えてしまうので、こげ茶やグリーンなど違う系統の色を合わせてみてください。 

まとめ

今回は壁紙の選び方についてお伝えしました。 

壁紙はカラーだけでなく、抗菌や消臭などの機能性も多様になっています。部屋ごとに用途や目的に応じた選択ができますので、自分の好みのものや必要な機能を備えた壁紙を選びましょう。 

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