マンションの購入を検討している方の中には、どのくらいの費用がかかるのか気になっている方もいることでしょう。
マンションを購入する際は、マンションの本体価格だけでなく、さまざまな初期費用がかかるため、資金不足で購入計画に支障が生じないように全体の費用を把握しておくことが大切です。
この記事では、マンション購入における初期費用はいくらか、新築・中古の初期費用シミュレーション、いつ払うのかなどを解説します。
マンション購入における初期費用はいくら?
マンションを購入する際は、パンフレットに記載されているマンションの本体価格だけを用意すればいいわけではありません。マンション購入では、本体価格に加えて初期費用がかかるので注意が必要です。
マンション購入にかかる初期費用の目安は以下の通りです。
- ●新築マンションの初期費用:物件価格の5~8%程度
- ●中古マンションの初期費用:物件価格の7~10%程度
具体的にどのような初期費用がかかるのかを詳しく見ていきましょう。
建物にかかる費用
建物にかかる費用には以下のようなものがあります。
費用の項目 |
詳細 |
印紙税 |
売買契約書に貼る印紙代 |
不動産取得税 |
不動産取得時に発生する地方税 |
登記費用 |
所有権移転登記に必要となる国税 |
司法書士への依頼料 |
登記代行の依頼料 |
固定資産税・都市計画税の清算金 |
不動産を所有することでかかる税金を売主と日割りで清算 |
申込証拠金 |
購入申し込み時に発生する不動産会社への費用 |
修繕積立基金 |
入居時に支払う一定の修繕金(新築分譲マンションのみ) |
物件の築年数や規模によって初期費用の金額は異なるため、物件ごとに確認する必要があります。
住宅ローンにかかる費用
住宅にかかる初期費用には以下のようなものがあります。
費用の項目 |
詳細 |
印紙税 |
住宅ローン契約書に貼る印紙代 |
登記費用 |
抵当権設定のための登記手数料 |
司法書士への依頼料 |
登記代行の依頼料 |
融資手数料 |
金融機関に支払うローン手続きの手数料 |
事務手数料 |
禁輸機関の事務処理にかかる費用 |
ローン保証料 |
保証会社に支払うローン保証のための費用 |
火災保険料 |
住宅に対する火災保険の保険料 |
住宅ローンを金融機関で組む場合は、上記のような費用がかかります。住宅ローンを組む金融機関によって異なるため、契約を予定している金融機関で確認する必要があります。
新生活にかかる費用
新生活にかかる費用には以下のようなものがあります。
費用の項目 |
詳細 |
引越し費用 |
新居への移動にかかる費用 |
家具・家電費用 |
新しい家具や家電の購入費用 |
インタネット・電気・ガスの開設費用 |
新居でのインフラ整備にかかる初期費用 |
生活用品費 |
日常生活に必要な消耗品の購入費用 |
引越し挨拶費用 |
近隣への引越し挨拶のためのギフト費用 |
現在の住居から家具・家電、生活用品を持ち込む場合は初期費用を抑えられますが、新居の購入に合わせてそれらを新調する方も多いでしょう。人によって新生活にかかる費用は異なるため、前もっていくらかかるか試算しておきましょう。
マンション購入でかかる諸費用について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
関連記事:マンション購入にかかる諸費用はどのくらい?初期費用から維持費まで徹底解説
【新築】マンション購入における初期費用をシミュレーション
新築マンションを購入する際にかかる初期費用は、マンション価格の5~8%が目安です。マンション価格を3,000~7,000万円とした場合の初期費用の目安は以下の通りです。
新築マンション価格 |
初期費用の相場 |
3,000万円 |
150~240万円 |
4,000万円 |
200~320万円 |
5,000万円 |
250~400万円 |
6,000万円 |
300~480万円 |
7,000万円 |
350~560万円 |
仮に5,000万円のマンションを購入する際は、250~400万円程度の初期費用がかかると予想されるため、必要な資金は5,250~5,400万円となります。
マンションの本体価格だけでなく、初期費用を含めたローンを組むこともできますが、借入額が大きくなるとその分だけ返済負担が大きくなるので注意してください。
【中古】マンション購入における初期費用をシミュレーション
中古マンションを購入する際にかかる初期費用は、マンション価格の7~10%が目安です。マンション価格を3,000~7,000万円とした場合の初期費用の目安は以下の通りです。
中古マンション |
初期費用の相場 |
3,000万円 |
210~300万円 |
4,000万円 |
280~400万円 |
5,000万円 |
350~500万円 |
6,000万円 |
420~600万円 |
7,000万円 |
490~700万円 |
仮に5,000万円のマンションを購入する際は、350~500万円程度の初期費用がかかると予想されるため、必要な資金は5,350~5,500万円となります。
新築マンションとは違い、築年数の古い中古マンションの場合、築年数の経過による資産価値の減少を理由に高額な借り入れが厳しくなる可能性があります。劣化の状況によってはリフォーム費用が上乗せされて初期費用が高額になる可能性があるので注意してください。
マンション購入時の初期費用はいつ払う?
マンションの初期費用を支払うタイミングは一律ではありません。費用ごとにタイミングが異なるため、タイミングがいつなのか事前に把握しておくことが大切です。
初期費用を入居前、入居時、入居後に支払いが必要なものに分けると以下の通りです。
【入居前に支払いが必要なもの】
費用 |
概要 |
手付金 |
売主に支払う前金(手付金は売買代金に充当される) |
仲介手数料(半金) |
不動産仲介業者に支払うサービス料(中古マンションのみ) |
【入居時に支払いが必要なもの】
費用 |
概要 |
登記費用 |
不動産の所有権移転や抵当権設定のための登記手数料 |
司法書士への依頼料 |
登記代行の依頼料 |
印紙税 |
売買契約書や住宅ローン契約書に貼る印紙代 |
引越し費用 |
新居への移動にかかる費用 |
融資手数料 |
金融機関に支払うローン手続きの手数料 |
事務手数料 |
金融機関の事務処理にかかる費用 |
ローン保証料 |
保証会社に支払うローン保証のための費用 |
火災保険料 |
住宅に対する火災保険の保険料 |
修繕積立基金 |
入居時に支払う一定の修繕金(新築分譲マンションのみ) |
仲介手数料(半金) |
不動産仲介業者に支払うサービス料(中古マンションのみ) |
【入居後に支払いが必要なもの】
費用 |
概要 |
固定資産税 |
所有する不動産に対して毎年支払う税金 |
都市計画税 |
都市計画区域内の不動産に対して支払う税金 |
不動産取得税 |
不動産を取得した際に一度だけ支払う税金(減税の適用可否による) |
管理費 |
マンションの共用部分の維持管理にかかる費用 |
修繕積立金 |
将来の大規模修繕に備えるための積立金 |
駐車場代 |
マンションの駐車場を利用するための費用 |
メンテナンス代 |
マンション内の設備や共用部分の保守、点検にかかる費用 |
家具・家電費用や生活用品費を新居に合わせて新調する場合には、それらの購入費用も発生します。また、新居でのインフラ整備として、インタネット・電気・ガスなどの開設費用もかかるので覚えておきましょう。
マンション購入時の初期費用は払えないとどうなる?
意外と初期費用が高額で、お金を用意できるか不安を抱いている方もいることでしょう。マンション購入時の初期費用を支払えないと、最悪の場合は契約が成立せず、住むことができなくなります。
その理由は、マンションを購入する際は頭金や登記費用、仲介手数料などの初期費用が必要ですが、これらの支払いが滞った場合、契約が無効になる可能性があるためです。
しかし、初期費用の一部を住宅ローンに含めて融資を受けるという選択肢もあります。多くの金融機関では、諸費用を住宅ローンに組み込むことが可能です。この方法を利用すれば、初期費用の負担を軽減し、スムーズにマンション購入を進めることができます。ただし、諸費用を住宅ローンに組み込む場合、審査が厳しくなるケースや適用金利が高くなるケースも。
借入額が増えることで返済負担が大きくなるため、返済計画を慎重に立てることが重要です。
マンション購入時の初期費用を抑えるポイント
初期費用が高額なので、少しでも負担を軽減したいと考えている方も多いことでしょう。以下のポイントを押さえることで、マンション購入時の初期費用を少しでも抑えることが可能です。
- ●住宅ローンは金利以外に保証料や手数料にも注目する
- ●地震保険料や火災保険料を見直そう
- ●引越しの繁忙期を避けると良い
それぞれのポイントを詳しく解説します。
住宅ローンは金利以外に保証料や手数料にも注目する
初期費用を抑えるには、住宅ローンの選択において、金利以外にも保証料や手数料に注目することが重要です。多くの人は、金利にだけ注目しがちですが、保証料や事務手数料もローンにかかるコストとして無視できません。
例えば、保証料はローンの借入額に応じて一括で支払うことが多く、その金額は数十万円に達することもあります。また、事務手数料も金融機関によって異なり、固定額であったり借入額の一定割合であったりします。
これらの費用を抑えることでトータルの初期費用を大幅に抑えることが可能です。具体的には、保証料が無料のローンや事務手数料が低いローンを選ぶことで最終的な支払総額を減らせるでしょう。
ただし、保証料が無料の場合はほぼ同額の事務手数料の支払いが生じることが多く、事務手数料が低い金融機関はその分金利設定が高いことも少なくありません。したがって、これらの要素を総合的に検討することが重要です。最終的なコストを比較検討し、最も自分に適した住宅ローンを選ぶことが求められます。
地震保険料や火災保険料を見直そう
地震保険料や火災保険料を見直すことも初期費用を抑えるためのポイントです。地震保険や火災保険は、購入時に必ず加入する必要がある保険ですが、その保険料は保険会社やプランによって大きく異なります。
保険料を見直すことで同じ保障内容でもより低い保険料で契約できる可能性があります。例えば、必要な補償範囲や金額を再評価し、自分に適したプランを選ぶことで無駄な費用を削減することが可能です。
また、保険会社によっては、複数の保険を一括で契約することで、割引が適用されることも。そうすれば、地震保険料や火災保険料を低く抑え、初期費用全体を減少させることができるでしょう。
引越しの繁忙期を避けると良い
初期費用を抑えるには、引越しの繁忙期を避けることも重要です。引越しの繁忙期は、一般的に年度末の3~4月、新学期や新生活が始まる9月、そして年末年始とされています。この時期は引越し需要が高まるため、引越し業者の料金が大幅に上昇します。
そのため、繁忙期を避けて引越しを計画すれば、引越し費用を大幅に削減することが可能です。例えば、閑散期の5~8月、11月などは引越し料金が比較的安くなる傾向にあります。
また、平日や月末以外の日を選ぶことによっても費用を抑えることが可能です。引越し費用を節約した場合、購入時のトータルコストを低減し、他の必要な経費に充てる余裕が生まれるでしょう。
まとめ
本記事では、マンション購入における初期費用いくらかかるか気になっている方に、初期費用の目安、新築・中古の初期費用のシミュレーション、初期費用を抑えるポイントなどについて解説しました。
新築はマンションの本体価格の5~8%、中古は7~10%が初期費用の目安です。物件の種類、規模、住宅ローンを契約する金融機関などによって、初期費用が異なるため、余裕を持った資金計画を立てましょう。
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