マンションを購入した際の毎月の支出は、住宅ローンの返済だけではありません。管理費や修繕積立金などの諸費用の負担も重くのしかかるため、資金管理をしっかりと行う必要があります。

この記事では、マンション購入後にかかる諸費用、マンション購入で後悔しないためのポイントなどを解説します。記事を読めば、購入後にかかるマンションの諸費用がわかるため、資金管理をしっかり行うことによってトラブルを回避できるでしょう。 

マンション購入後にかかる費用の相場

住宅ローンを利用してマンションを購入した場合、毎月の支出は水道光熱費や住宅ローンの返済費用だけだと思っている方もいるのではないでしょうか。しかし、それらの費用以外にも、マンション特有の支出である管理費や修繕積立金のほか、駐車場代、固定資産税などの負担も発生するので注意が必要です。 

諸費用はマンションの規模や状況によって異なりますが、住宅ローンの返済費用や固定資産税なども含めると毎月12~15万円程度を想定する必要があります。年間では費用負担が100万円を超えるため、諸費用の種類やいくらくらいかかるのか把握しておくことが大切です。 

マンション購入後にかかる諸費用一覧

マンション購入後にかかる諸費用の中には、マンション特有の費用もあります。費用を支払うことができないという事態に陥らないためにも、費用の種類と金額を理解しておきましょう。マンション購入時にかかる諸費用を以下の一覧表にまとめました。なお、以下の費用の目安は、以下の条件で算出しています。 

  • 購入価格:4,000万円
  • 専有面積:70㎡ 

項目

費用の目安

詳細

ローン返済費

毎月8~10万円

住宅ローンの返済費用

不動産取得税

40~60万円

不動産を取得した際に一度だけ支払う税金

固定資産税・都市計画税

毎年10~15万円

不動産の所有者が毎年納める税金

管理費

毎月1~2万5,000円

マンションの日常管理にかかる費用を負担

修繕積立金

毎月1~2万5,000円

マンションの定期修繕にかかる費用を負担

駐車場・駐輪場代

毎月5,000円~

4万円

マンションに併設された駐車場・駐輪場の利用代

施設使用料

年間1万円程度

トランクルームや専用庭などの使用料

火災保険料・地震保険料

年間3~5万円程度

 

火災や地震に備えるための保険料

⇒(1年更新の場合)

ローン返済費

ローン返済費とは、住宅ローンを借りた場合の毎月の返済費です。ローン返済費は、住宅ローンの契約金額や返済期間、金利などによって変化します。人によって契約プランは違うため、一概にいくらとは言い切れませんが、3,000~4,000万円の融資額で毎月8~10万円程度が目安です。 

契約金額が大きい、返済期間が短い、金利が高い場合、毎月の返済負担が大きくなるので注意が必要です。病気や怪我、急な支出などの万が一の事態を踏まえた無理のない返済計画を立てられているかどうかしっかり確認しましょう。

不動産取得税

不動産取得税とは、不動産を取得した場合に支払う税金です。他の諸費用とは違い、不動産を購入してから60日以内に管轄の都道府県税事務所に申告し、一度だけ支払います。 

不動産取得税は固定資産税評価額によって変化するため、購入したマンションの固定資産税評価額によって異なるため、一概にいくらとは言い切れませんが、40~60万円が目安です。不動産取得税は物件の要件を満たした場合、軽減措置を受けられます。 

一度だけ支払う費用ですが、高額な費用なので、マンションを購入する際には不動産取得税の支払いにかかる費用をしっかり手元に確保しておきましょう。 

参照:東京主税局「不動産取得税計算ツール

固定資産税・都市計画税

固定資産税とは、1月1日時点の不動産の所有者に対して課される税金です。都市計画税とは、都市計画区域内の土地や建物を所有している場合に課される税金です。固定資産税は基本的に必ず課されますが、都市計画税は該当区域内でなければ基本的に課されません。 

固定資産税と都市計画税は固定資産税評価額に一定の税率をかけて求めるため、人によって納める税額が異なります。毎年4~6月に送付される納税通知書に記載された税額を納めます。 

年4回に分けて納めますが、一括で納付することも可能です。固定資産税は物件所在地や面積によって異なるため、一概にいくらとは言い切れませんが、毎年10~15万円程度が目安です。不動産を所有している限り納め続けなくてはなりません。建物の価値は経年劣化による資産価値の減少で下がるため、徐々に負担が小さくなります。

管理費

管理費とは、マンションの日常的な維持管理を行うためにかかる費用をマンション居住者で負担するものです。例えば、マンションの廊下や階段、エレベーター、エントランスホールなどの共用部分の電気代や水道代、管理を担当している管理人の人件費、日常的な修繕費、保険料などを全員で負担します。 

管理費はマンションの総戸数や地域、専有面積によって変化しますが、毎月1~2万5,000円程度が目安です。一戸建て住宅では発生しないマンション特有の費用なので注意してください。支払いはマンションから退去するまで続きます。

修繕積立金

修繕積立金とは、マンションの定期的な修繕にかかる費用をマンション居住者で負担するものです。マンションは建物の規模が大きく、維持や修繕が容易ではありません。そのため、経年劣化による建物自体の改修工事や防水工事などを12~15年に1回の頻度で行います。これを大規模修繕工事と呼びます。 

大規模修繕工事には多額の費用がかかるため、資金不足に陥らないように毎月修繕積立金として居住者から徴収しています。修繕積立金もマンションの総戸数や地域、専有面積、築年数によって変化しますが、毎月1~2万5,000円が目安です。 

負担はマンションから退去するまで続きますが、マンションを退去しても支払った修繕積立金は返金されません。マンションの管理組合の財産として扱われるので注意が必要です。

駐車場・駐輪場代

駐車場や駐輪場代とは、マンションに併設されている駐車場や駐輪場などを利用する場合に支払う費用です。無料で利用できるマンションもありますが、最初から料金を徴収しているマンションや複数台利用に対して料金を徴収しているマンションなどさまざまです。 

料金を徴収する理由は管理費や修繕積立金の補填のためです。駐車場や駐輪場も経年劣化が生じるため、日常的・定期的に修繕を行わなくてはなりません。料金が無料に設定されているマンションであれば費用負担を軽減できるというわけではなく、管理費や修繕積立金を引き上げて調整しているケースも多いです。 

また、無料のマンションでは工事前の見積もりで資金不足が発覚し、居住者から追加徴収するといったケースも見られるので注意してください。費用の目安は毎月5,000円~4万円です。契約している間はずっと支払いが続きます。

施設使用料

施設使用料とは、マンションに併設されている施設や専用スペースを利用する際に発生する費用です。例えば、マンションに併設されているトランクルームを利用する際、1階で専用庭が併設されている部屋を購入した場合は庭の利用料が徴収されます。 

駐車場や駐輪場代と同様、徴収された施設使用料は管理費や修繕積立金の補填に充てられます。施設が充実しているマンションは魅力的ですが、使用される可能性の低い設備が併設されているマンションの場合は、維持管理にかかる費用を補えません。最終的には居住者の負担になるので注意が必要です。施設使用料の目安は年間1万円程度です。

火災保険料・地震保険料

火災保険料・地震保険料とは、自身の居室であるマンションの専有部分が万が一の火災や地震による被害を受けた場合に備えるための保険料です。火災保険料や地震保険料は補償内容によって異なりますが、目安は年間で3~5万円程度です。 

廊下や階段、エレベーター、エントランスホールなどの共用部分の保険はマンション全体で加入しており、料金は居住者から徴収した管理費から支払われます。 

月払いではなく年払いで、複数年まとめて支払えば保険料の割引が受けられます。ただし、途中で退去しても支払った保険料が返還されないので注意が必要です。

マンション購入で後悔しないためのポイント

マイホームの購入は人生で何度も行うものではありません。購入したマンションに生涯住み続けることもあるため、後悔しないマンション選びを行いたいところです。マンションの購入で失敗しないためには、以下の3つのポイントを押さえたうえで購入に臨むことが大切です。 

  • ・優先順位を決める
  • ・資金計画を立てる
  • ・家族としっかり話し合ってから決める 

まずは優先順位をしっかり決めることです。マンション購入では資金計画が必須です。その理由は、マンションは一戸建てと比べると物件価格が高く、借入金額が大きくなりやすく返済負担が大きくなりやすいためです。また、購入後の管理費や修繕積立金、駐車場・駐輪場代などの諸費用も発生するため、購入後の費用負担についてもしっかり考えましょう。

マンションは一戸建て住宅よりも物件価格が高くなりやすく、部屋の広さや間取りにもある程度の限界があります。同じ価格帯であれば広くて部屋数の多い一戸建てを購入できる可能性もあるため、マイホーム購入で何を優先するのかを決定し、目的に合ったマイホームを選びましょう。 

家族との話し合いも大切です。マイホームは、自分にとってだけでなく、家族にとっても大切な空間です。自分の意見だけを押し付けると、家族にとって居心地の悪い空間になってしまいます。家族が快適に暮らせるためにも、家族の意見をしっかりと聞いてそれらを踏まえながらマイホームを購入しましょう。

マンション購入後にかかる費用に関するよくある質問

最後にマンション購入後にかかる費用に関するよくある質問についてお答えします。

Q.マンション購入後の固定費はいくら?

マンション購入後の固定費はマンションの規模や状況によって異なりますが、住宅ローンの返済費用を含めると3,000~4,000万円の融資に対して毎月12~15万円程度です。年間では100万円を超えてくるので注意してください。

Q.マンション購入後、維持費がきついときはどうしたらいい?

入居後の場合、住宅ローンの借り換え、車を手放す、保険を見直すことにより維持費を減らすことができます。また、資金に余裕があるときに繰り上げ返済を行えば、支払総額を抑えることによって負担が少なくなるでしょう。

Q.マンション購入後に払う税金は?

マンション購入後に支払う税金は、固定資産税と都市計画税です。1月1日時点の不動産の所有者は、必ず固定資産税を納めなくてはなりません。都市計画税は、都市計画区域内の土地や建物を所有している場合に課されます。

まとめ

マンションを購入する際、住宅ローンの返済を無理なく行えるかどうか心配している方もいると思います。しかし、住宅ローンの返済だけでなく、購入後の諸費用を支払えるかどうかも心配しなくてはなりません。 

マンションの購入後は、固定資産税や都市計画税などの各種税金のほか、管理費や修繕積立金、駐車場・駐輪場代、施設使用料などのマンション特有の諸費用が発生します。 

住宅ローンの返済を含めると、年間100万円以上の支出となります。万が一の事態が発生しても対応できるか資金計画に無理がないかをよく考えてからマンションを購入しましょう。 

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