マンションのリフォームやリノベーションを検討している人は、補助金や助成金を受けられる可能性があります。リフォームは決して安い費用では行えないため、利用できる補助金は利用することがおすすめです。本記事ではリフォーム工事で使える5つの補助金について解説します。また、リフォームについての減税制度についても紹介しますのであわせて確認しましょう。
【2023年最新】マンションリフォームに使える補助金・助成金
マンションリフォームに使える補助金と助成金について紹介します。それぞれについて交付する適用条件や補助対象、補助金額などを表で詳しく解説しますので、利用できるものがないか確認してみましょう。なお、補助金は申請期限があるうえ、申込者が多くて申請額が予算上限に達すると申請が閉め切られるため、早めに対処することがおすすめです。それでは以下で詳しく見ていきましょう。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
マンションリフォームに使える助成金として、長期優良住宅化リフォーム推進事業による補助金があります。
補助金が交付されるのは、既存住宅を長期優良住宅へとリフォームする場合です。住宅性能を向上させるようなリフォームや子育て世帯の住宅改修が該当します。
2023年度の交付情報については開示されていないものの、2022年度は下記のような条件で実施されていました。長期優良住宅認定を受ければ最大250万円の補助金が交付されます。
長期優良住宅化リフォーム推進事業 |
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適用条件 |
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補助対象 |
住宅の性能向上リフォーム工事費など |
補助率 |
補助対象経費の1/3以内 |
補助金額(上限額) |
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出典:国立研究開発法人建築研究所「令和4年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業」
長期優良住宅化リフォーム推進事業の最新情報については下記で確認できます。
・長期優良住宅化リフォーム事業「総合トップページ」
断熱リフォーム支援事業による助成金
既存住宅の断熱リフォーム支援事業による助成金もリフォームに活用できます。
断熱リフォーム支援事業とは、省エネ効果(15%以上)が見込まれる高性能建材(断熱材、ガラス、窓など)を用いて住宅の断熱リフォームを支援する事業のことです。
住居全体でなく、居間だけの断熱リフォームでも補助金の対象となりえます。なお、マンションの場合、個別住居のリフォームでもマンション全体のリフォームでも、補助金を受け取ることができます。
下記はマンションの個別住居の断熱リフォームについての補助金適用要件です。
既存住宅の断熱リフォーム支援事業 |
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適用条件 |
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補助対象製品 |
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補助率 |
補助対象経費の1/3以内 |
補助金額(上限額) |
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出典:公益財団法人北海道環境財団 「【全国対象】既存住宅における断熱リフォーム支援事業について」
次世代省エネ建材支援事業
次世代省エネ建材支援事業による助成金もリフォームに活用できます。
次世代省エネ建材支援事業とは、既存住宅に高性能断熱材や蓄熱・調湿材などの次世代省エネ建材を用いてリフォームを行う際に、補助金が交付されるものです。
外張り断熱、内張り断熱、窓断熱のいずれかの改修方法でのリフォーム工事において補助対象の省エネ製品を用いることが適用要件となります。マンションのリフォームでは内張り断熱でのリフォームのみ実施可能で、最大125万円の交付が受けられます。
2023年度の概要はまだ開示されていないものの、2022年度は下記の要件で実施されました。
次世代省エネ建材支援事業 |
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適用条件 |
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補助対象製品(必須製品) |
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補助率 |
補助対象経費の1/2以内 |
補助金額(上限額) |
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出典:一般社団法人環境共創イニシアチブ 「令和4年度 経済産業省による次世代省エネ建材の実証支援事業のご紹介」
介護・バリアフリーリフォーム補助金
介護やバリアフリー目的でリフォームを行う場合は、介護保険と市区町村の助成制度を利用することができます。
介護保険による住宅改修費の支給要件は下記の通りです。
介護保険による住宅改修費の支給 |
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適用条件 |
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支給対象工事 |
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保険支給額(上限額) |
18万円 |
出典:厚生労働省 「介護保険における住宅改修」
市区町村の介護・バリアフリーの住宅改修についての助成内容については、市区町村ごとに異なります。また、実施していない市区町村と実施している市区町村があるため、お住まいの市区町村のホームページで確認することをおすすめします。
こどもエコ住まい支援事業
子育て世帯や若者夫婦世帯のリフォーム工事においては、こどもエコ住まい支援事業の補助金を活用することができます。
こどもエコすまい支援事業は、子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修などに対して支援する事業のことです。下記の適用要件を満たすことで最大30万~60万円の補助金を受け取ることができます。
こどもエコ住まい支援事業 |
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適用条件 |
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補助対象工事 |
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保険支給額(上限額) |
30万円/戸(ただし、子育て世帯・若者夫婦世帯が購入した既存住宅をリフォームする場合は60万円/戸) |
出典:国土交通省 「こどもエコ住まい支援事業 リフォーム」
なお、こどもエコ住まい支援事業は、2022年度まで実施されていた「こどもみらい住宅支援事業」を引き継ぐものですが、補助金の対象が若干異なる点に注意しましょう。
リフォーム工事の減税制度
リフォーム工事をする場合、補助金や助成金だけでなく、減税制度も利用することができます。ただし、減税制度を利用するには条件があるため、以下で詳しく見ていきましょう。
住宅ローン減税
住宅ローンを利用して住宅のリフォーム工事をする場合、最大13年間、各年末の住宅ローン残高の0.7%を、所得税額などから控除することができます。(出典:国土交通省「住宅ローン減税」)
減税の対象となるローンの年末残高の上限と減税の適用期間は、リフォーム対象が新築購入物件か既存住宅かで下記のように異なります。
【長期優良住宅・低炭素住宅の場合】
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新築住宅・買取再販住宅 |
既存住宅 |
借入限度額※ (2022・2023年入居) |
5,000万円 |
4,500万円 |
借入限度額 (2024・2025年入居) |
3,000万円 |
3,000万円 |
控除率 |
0.7% |
0.7% |
控除期間 |
13年間 |
10年間 |
出典:国土交通省「住宅ローン減税」
※借入限度額とは住宅ローン減税の対象となるローンの年末残高の上限のこと
投資型減税
住宅ローン減税が受けられない場合でも、投資型減税を利用して所得税の納税額を抑えることができます。
投資型減税は、住宅性能を強化するリフォームにかかった標準的な費用の10%相当額を所得税から差し引ける制度です。
具体的な対象工事と、10%控除の対象限度額は下記の通りです。住宅ローンの有無に関係なく活用することができます。
【投資型減税の対象と控除率】
対象工事 |
対象工事限度額 |
控除率 |
耐震 |
250万円 |
10% |
バリアフリー |
200万円 |
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省エネ(太陽光発電) |
250万円(350万円) |
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三世代同居 |
250万円 |
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長期優良住宅化 |
250万~500万円 |
出典:国土交通省「住宅のリフォームに係る税の特例措置」
固定資産税の減税
リフォーム工事を行った場合、翌年度の固定資産税が減額できる特例措置があります。
減額できる固定資産税額は、下記の通り、リフォーム工事によって異なります。
【リフォーム工事による固定資産税の軽減額】
リフォーム工事の種類 |
軽減額 |
耐震 |
固定資産税額の2分の1 |
バリアフリー・省エネ |
固定資産税額の3分の1 |
長期優良住宅化 |
固定資産税額の3分の1 |
出典:国土交通省「耐震改修に係る固定資産税の減額措置」、「バリアフリー改修に係る固定資産税の減額措置」、「省エネ改修に係る固定資産税の減額措置」、「長期優良住宅化リフォームに係る固定資産税の減額措置」
なお、固定資産税の減税を受けるためには、工事完了後3か月以内にリフォームした家屋のある市区町村に届出をする必要がある点に注意しましょう。
贈与税の非課税枠
リフォーム工事では贈与税の非課税枠について通常より大幅に利用することができます。
リフォーム工事などの住宅工事にかかる費用を、父母や祖父母など直系尊属から援助を受けた場合に、最大1000万円までを非課税にすることができます。通常の贈与税の非課税枠が110万円であることを考えてもリフォームによる非課税枠は大きいと言えます。
1000万円の非課税枠となるのは、リフォームなどをした住宅が「省エネ等住宅」と見なされる場合です。「省エネ等住宅」でない一般住宅の場合の非課税枠は500万円までとなります。
補助金を受ける際の注意点
リフォームやリノベーションを行う際には補助金を利用できることをお伝えしました。ただし、利用する際には注意点があります。スムーズに補助金を利用するためにも、以下の点に気を付けましょう。
補助金の交付方法を確認する
補助金を利用するためにも、まずは補助金の交付方法を確認することが重要と言えるでしょう。
補助金はリフォーム工事の発注者が直接受け取る方法と、施工会社が受け取る方法とがあります。施工会社が受け取る場合は、施工会社が申請を行って補助金を受け取り、発注者に請求する工事費から差し引いて発注者に還元します。
発注者が直接受け取る場合も、申請書類を施工会社に作成してもらう必要がある場合も少なくありません。あらかじめしっかりと交付方法を確認しておくことがおすすめです。
補助金には期限と交付額が定められている
補助金は、申請できる期間があらかじめ決められていることに注意しましょう。
補助金の申請手続きには、必要書類の準備などに時間がかかることも多いため、事前に期限を確認のうえ、余裕をもって準備を進めるのがよいと言えるでしょう。
また、補助金制度は、交付額の予算が決まっており、申請者が多くて申請額が予算の上限に達した場合は、早めに締め切られることがあります。そのため、気になる補助金がある場合は早めに申請したほうがよいと言えます。
登録リフォーム事業団体に加入している会社か確認
補助金を利用したい場合、リフォーム工事を依頼する施工会社が住宅リフォーム事業者団体に加入している会社かどうか確認しましょう。
住宅リフォーム事業者団体登録制度は、消費者が安心してリフォームを行うことができる環境の整備を図るために、国土交通省により創設されたものです。
補助金を申請するためにも施工会社が住宅リフォーム事業者団体の登録会社であることが必要となる点に注意しましょう。
まとめ
リフォームをする際に利用できる補助金と減税制度について紹介しました。補助金や助成金を利用した場合は、要件を満たす必要があるため、リフォーム会社に相談することが大切だと言えます。リフォーム会社は、住宅リフォーム事業者団体に登録している会社であれば実績があるため安心して依頼できるでしょう。補助金交付の経験があるかどうか確認するとなお安心と言えます。
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