マンション選びで失敗したくないけれど、何を基準に選んで良いのか分からないと悩んでいませんか?物件選びはたくさんのポイントがあるため悩むのも無理はありません。この記事では、分かりやすく失敗しないマンション選びのポイントを9つ、購入する際の注意点を3つにまとめてみました。マンション購入を検討している方、マンション選びで現在悩んでいる方はぜひ最後までお読みください。
失敗しないマンション選びのポイント
マンション選びで失敗しないために、以下のポイントを押さえた物件選びを心がけましょう。
- ・ハザードマップを確認する
- ・年収倍率から購入可能額の目安を算出する
- ・物件の市場価格の相場を把握する
- ・周辺環境を確認する
- ・自分にとって住みやすい階数を選ぶ
- ・人数に応じた部屋の広さを選ぶ
- ・部屋の方角を確認する
- ・設備を確認する
- ・資産価値を確認する
各ポイントについて詳しく解説します。
ハザードマップを確認する
ハザードマップとは地震や水害といった天災で想定できる被害範囲を地域ごとに色分けし、図表化したものです。ハザード(Hazard)とは危険性という意味があります。
例えば洪水の場合、洪水が起きたときに浸水が起こるリスクが少ない地域は白色、深刻な洪水浸水が起きることが予想される地域は濃い赤や、紫で色分けしています。
洪水以外にも、土砂災害、高潮、津波などのリスクも閲覧可能で、市役所で配布されているハザードマップの冊子版を入手する、あるいは国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」などの方法で確認できます。
ハザードマップを確認することで、購入を検討しているマンションがどのような災害リスクに遭いやすいのかを把握することが可能です。
【ハザードマップの確認すべきポイント】
- ・どのような災害が起こりうるかチェックする
マンション購入を検討しているエリアがどのような災害のリスクが高いのかチェックします。自然災害による損害は火災保険でカバーできますが、災害リスクが大きいエリアであれば購入を避けることも一つの考え方です - ・火災保険の補償内容の検討に役立てる
ハザードマップを見た結果、水災リスクが低いエリアでは火災保険の水災補償を外す。地震による津波のリスクが高いエリアでは地震保険に加入するなど、合理的な火災保険の補償内容にするために役立ちます - ・避難先の確認
ハザードマップでは、洪水が起きたとき、高潮が起きたときなど、災害別に避難先を検索することができます。購入しようとしているマンションの災害リスクたけではなく、避難経路なども事前に確認しておきたいポイントです。
年収倍率から購入可能額の目安を算出する
年収倍率とは、購入者あるいは購入者の世帯全体の年収に対する、物件価格の比率のことです。金融機関が住宅ローンの融資を判断する際、参考にする基準の一つでもあります。
【年収倍率の計算方法】
年収倍率=物件価格÷年収(または世帯全体の年収) <計算例> |
既に住宅購入している方は、年収に対してどれくらいの年収倍率の物件を購入しているのでしょうか?
以下の表は、全期間固定金利の住宅ローンフラット35を提供している住宅金融支援機構が提供している、年収倍率の傾向を表す表です。
例えば中古戸建の場合、2021年の年収倍率は5.7倍です。
年収倍率の計算式から逆算すると、仮に年収400万円の方が、中古戸建を購入する場合、平均で400万円×5.7倍=2,280万円程度の物件を購入している可能性が高いということが分かります。
ただし全体的に年収倍率が上昇傾向にある点には、注意が必要かも知れません。なぜなら低金利水準で住宅ローン金利が推移するだろうという憶測で、高い物件を購入する方が増えていると推測できるからです。
ここで計算できる物件価格はあくまでも参考にとどめ、実際に購入するときは慎重に資金計画のシミュレーションを立てることが大切です。
物件の市場価格の相場を把握する
小売店で購入できる商品とは異なり、地価の影響をうけやすいため不動産は適正価格が分かりづらい傾向にあります。そのため市場価格の相場を理解しておかないと、一般的な市場価格に比べて高い値段で購入してしまうかも知れません。
また事前に正しい市場価格が分かっていれば、早い段階で購入するうえでの資金計画を立てることができます。
物件の市場価格の相場を把握する方法を3つ紹介します。
- ・土地総合情報システム
国土交通省が運営しているサイトで、実際に取引された取引価格を都道府県別、市区町村別などのエリア別に絞って検索ができます。具体的な物件名までは検索できませんが、築年数や平米数からおおよその市場価格を把握することは可能です - ・レインズ・マーケット・インフォメーション
国土交通省指定の不動産流通機構が運営・管理している検索システムです。物件の種類別、都道府県別に、実際の取引価格や専有面積、築年数、制約時期などが検索できます。土地総合情報システムと同様、個別の物件名までは検索できません - ・不動産会社のポータルサイト
現在販売中の物件情報を掲載している不動産会社もあります。都道府県別、物件種類別、築年数別など、不動産会社にごとにさまざまな切り口で検索可能です。ただし表示されている金額は、売り出し価格であり、成約価格ではない点に注意が必要です。
周辺環境を確認する
マンションを購入すれば、長期にわたってその場所で暮らすことになるため、周辺環境が快適で、利便性の高さはとても重要な要素です。物件選びの際は次のような点をチェックしましょう。
- ・駅までの距離
- ・バスの停留所までの距離(駅が遠い場合)
- ・商業施設や医療施設の有無
- ・嫌悪施設※の有無
- ・通勤・通学のしやすさ(乗り換え回数など)
- ・治安状況
- ・その他の利便性の高さ(役所や銀行までの距離など)
- ※騒音、悪臭、軍事基地など一般的に近くにあると不快感や嫌悪感を感じると思われる施設のこと
自分にとって住みやすい階数を選ぶ
マンションの何階に住むかも重要なポイントです。低・中層階、最上階などそれぞれメリット・デメリットがあるため、自分とって住みやすい階数を選びましょう。
【階数別のメリット・デメリット】
|
メリット |
デメリット |
低・中層階 |
|
|
高層階 |
|
|
最上階 |
|
|
人数に応じた部屋の広さを選ぶ
居住する人数に対して物件の専有面積が広すぎると、スペースを持て余してしまい、もの寂しいスペースになってしまうかも知れません。逆に人数に対して専有面積が狭すぎると、窮屈で不自由な気持ちを抱えながら生活することになる可能性もあります。
考え方は人それぞれですが、人数に応じた部屋の広さという観点も大切です。何人に対して、何平米の専有面積が適正なのかを知る目安として、最低居住面積水準と誘導居住面積水準が参考になります。
最低居住面積水準とは、健康で文化的な住生活を送るために必要不可欠と思われる住居の面積、誘導居住面積水準とは、多様なライフスタイルを想定したときに必要と思われる住居の面積を言います。
【最低居住面積水準と誘導居住面積水準】
人数 |
最低居住面積水準の面積(㎡) |
誘導居住面積水準の面積(都心)(㎡) |
誘導居住面積水準の面積(郊外)(㎡) |
1人 |
25 |
40 |
55 |
2人 |
30 |
55 |
75 |
3人 |
40【35】 |
75【65】 |
100【87.5】 |
4人 |
50【45】 |
95【85】 |
125【112.5】 |
参考:厚生労働省「住生活基本計画における居住面積水準」 ※【 】は3~5歳児が1名いる場合
部屋の方角を確認する
マンションの部屋の方角によってもメリット・デメリットがあります。自分に合った部屋選びをするうえで、各方角のメリット・デメリットを理解しておくことも大切です。
【方角別のメリット・デメリット】
|
メリット |
デメリット |
東向き |
|
|
西向き |
|
|
南向き |
|
|
北向き |
|
|
設備を確認する
マンションの設備が充実していると、日々の生活が快適になります。セキュリティ面が充実していれば、女性やお子さんがいるご家庭では安心して過ごせるでしょう。また設備が充実していれば、売却時に買い手が見つかりやすく、比較的高値で売却できる可能性があります。
【物件購入時に確認しておきたい設備】
- ・システムキッチン
- ・オートバス
- ・防犯カメラ
- ・オートロック
- ・2重ロック
- ・ハンズフリーキーシステム
- ・宅配ボックス
- ・モニター付きインターホン
資産価値を確認する
マンションを購入する際は、購入しようとするマンションの資産価値を確認しましょう。資産価値が高い物件は、自分にとっても住みやすい場所であり、何らかの理由で引っ越しをする場合でも、比較的高値で売却できる可能性があります。
資産価値が高い物件の特徴は以下の通りです。
【資産価値が高い物件の特徴】
- ・立地の良さ
- ・居住エリアの特徴にあった間取り(ファミリー向け、単身者向けなど)
- ・日当たり・眺望の良さ
- ・セキュリティ対策に力を入れている
マンションを購入する際の注意点
人生でマンションを購入する機会はあまりないかも知れません。失敗しないために、以下の3つを心がけましょう。
- ・物件価格のほかに諸費用が発生する
- ・住宅ローンを組む際は無理のない返済計画を立てる
- ・モデルルーム見学では希望の間取りとの違いを確認する
注意点について詳しく解説します。
物件価格のほかに諸費用が発生する
マンションを購入する際、物件価格以外にも登記費用や印紙代、住宅ローンを利用するのであれば事務手数料などの諸費用もかかります。新築マンションの場合は、物件価格の3.0~6.0%、中古マンションの場合は物件価格の6.0~10.0%程度、諸費用がかかることを想定しておきましょう。
【マンション購入時にかかる主な諸費用】
- ・印紙税
- 売買契約書に貼付する印紙代金です。売買金額や借入金額によって異なりますが、売買契約書の印紙代は1万~6万円程度(本則2万円~10万円)が目安です。
- ・登録免許税
- 登録免許税とは登記手続きの際に納める税金のことを言います。マンション購入では、土地や中古物件の所有権移転登記、新築物件の所有権保存登記にかかる費用です。
登記の種別 |
登録免許税率 |
軽減税率 |
土地の所有権移転登記 |
課税標準額×2.0% |
課税標準額×1.5% |
新築物件の所有権保存登記 |
課税標準額×0.4% |
課税標準額×0.15% |
中古物件の所有移転存登記 |
課税標準額×2.0% |
課税標準額×0.3% |
参考:国税庁
- ・司法書士報酬
登記手続きを依頼したときの報酬です。所有権移転登記の相場は関東地区で約50,000~約90,000円、所有権移転登記の相場は約20,000円台半ばです - ・火災保険料/地震保険料
購入したマンションが火災や天災で損害を受けたとき、火災保険に加入していれば修理代が支払われます。物件所在地や平米数などによって保険料は異なりますが、目安として都内のマンションで新築、50㎡の場合、火災保険料が年間3,000円(水災リスクは不担保)、地震保険料が1万2,000円です。
【住宅ローンの契約にかかる諸費用】
- ・金銭消費貸借契約書の印紙代
住宅ローンを利用するときに契約する、金銭消費貸借契約書の印紙代です。2万~10万円が相場です。 - ・融資事務手数料
住宅ローン借入時に生じる事務手数料です。借入額に対して1.0~2.0%が相場です。 - ・ローン保証料
債務者が住宅ローンを返済できなくなったとき、代わりに保証会社が一旦、金融機関に弁済する契約を締結するときに必要になる保証料です。保証料は保証会社によって異なりますが、高い場合で借入金額の2.0%程度です。 - ・抵当権設定登記費用
住宅ローンを利用する際に、抵当権を設定する費用です。借入金額の0.1%の費用がかかります。 - ・司法書士報酬
抵当権設定時も司法書士に報酬を支払います。抵当権設定登記の相場は関東地区で75,000円程度が相場です。 - ・仲介手数料
仲介会社と媒介契約を結んで住宅購入をするときに必要な費用。
取引物件価格(税抜) |
仲介手数料の上限 |
400万円超 |
取引物件価格(税抜)×3.0%+6万円+消費税 |
200~400万円以下 |
取引物件価格(税抜)×4.0%+2万円+消費税 |
200万円以下 |
取引物件価格(税抜)×5.0%+消費税 |
- ・そのほか
修繕積立基金(相場20万~80万円)、固定資産税清算金(物件によって異なる)など
諸費用の中でも大きな割合を占めるのが、住宅ローンの融資事務手数料やローン保証料、そして、仲介手数料です。住宅ローンは金利だけではなく、金融機関の融資事務手数料やローン保証料も比較して検討しましょう。
また仲介手数料は、売主が直接売り出している物件を選ぶと、仲介手数料がかかりません。火災保険も不要な補償を外すと、保険料を安くできます。ただし、万が一のときに補償されないため、本当に不要か慎重に検討が必要です。
住宅ローンを組む際は無理のない返済計画を立てる
住宅ローンを利用する前に、将来的に返済できるかどうか返済計画を立てるのが一般的です。しかし返済期間中に病気や、お子さんのイベントなど急な支出で計画通りに行かないこともあるでしょう。
金融機関の「借入可能額」と、「無理なく返せる金額」はイコールではない場合があります。余裕をもった返済計画を立てましょう。
モデルルーム見学では希望の間取りとの違いを確認する
マンション購入前のモデルルーム見学では、必ずしも希望する間取りの部屋を見学できるとは限りません。実際にモデルルームで見た間取りと、希望する間取りはどう違うのか、担当の方に十分説明を受けることが大切です。
そのほかモデルルーム見学の際、確認すべきポイントは以下の通りです。
- ・部屋の位置
- ・日当たりや風通し(できれば朝・昼・夜など各時間帯で確認するのが望ましい)
- ・物件所在地の利便性
- ・嫌悪施設の確認
- ・治安状態
- ・セキュリティ
住宅ローン控除の活用でお得にマンションを購入できる
住宅ローン控除とは、一定の要件を満たした方がマイホームの取得や増築で住宅ローンを利用したときに、所得税が軽減される制度のことです。また所得税から控除しきれないときは、住民税から控除されます。
控除される金額は、ローン残高×0.7%×13年間(中古住宅等、10年の場合もあり)で計算します。最大控除額は省エネ住宅性能によって異なりますが、一般住宅の場合、年間最大で21万円税額が控除されます。
住宅ローン控除を受けるためには、少なくとも以下の要件をすべて満たしている必要があります。
【住宅ローン控除の主な要件】
- ・住宅取得から6ヶ月以内に居住し、住宅ローン控除の適用を受ける各年の12月31日に引き続き居住していること
- ・住宅ローンの返済期間が10年以上であること
- ・自ら所有し、居住している住宅であること
- ・登記簿上の床面積の2分の1以上が居住用であること
- ・登記簿上の面積が50平米以上で、控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下、または登記簿上の面積が40平米以上50平米未満で、控除を受ける年の合計所得金額が1,000万円以下
- ・(中古住宅の場合)登記簿上の建築日が1982年1月1日以降(2022年以降は、1982年以降の中古住宅は耐震基準適合証明書が不要)
まとめ
マンション選びで失敗しないために、失敗しないマンション選びのポイントを9つ、マンションを購入する際の注意点を3つ紹介しました。マンション購入を検討している方は、今回紹介した内容をご活用ください。
ただ自分の意見が合っているのか不安に感じる方もいるかも知れません。不安な方は、ANAの住まいで実施している住宅購入に関する無料相談を活用してみましょう。