注文住宅は自分で間取りを決めることができます。間取りを決められるのは注文住宅の醍醐味ではありますが、しっかり考えないと後で後悔してしまうことにもなりかねません。
本記事では、注文住宅の間取りを考える際に失敗してしまうことのないよう、間取りを考えるうえでのよくある失敗例をご紹介します。これから注文住宅の間取りを考えていくといった方はぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
注文住宅の間取りでよくある失敗例
注文住宅を建てるにあたり、間取りを決めるのは楽しみであるのと同時に、悩みどころの多いものでもあります。
間取り決めは、家事導線やコミュニケーションなどさまざまなものに影響するため、注文住宅を建てる際には慎重に決めることが大切なのです。
ここでは、注文住宅の間取りを考えるにあたり、後悔することのないよう、よくある失敗例をご紹介していきます。
収納に関する失敗例
まずは収納に関する失敗例を見てみましょう。
- ・ クローゼットが使いにくい設計となっている
- 奥行が足りなかったり、パイプの高さが低かったりなど、クローゼットが使いにくい設計になってしまうことがあります。
- クローゼットを設置するときは、その場所に何を収納する予定なのか、ある程度想定しておくと失敗する可能性を減らすことができるでしょう。
- ・洗濯物の収納が大変な配置になっている
- 洗濯したものを収納にしまう必要があります。毎日やることなので、家事導線をしっかり考えたいところですが、例えば洗濯機を置いてあるとことから、収納する場所まで遠くなってしまっていると大変に感じてしまうことが多いでしょう。
- ・ウォークインクローゼットを活用できていない
- ウォークインクローゼットは、インパクトはありますが、実際にはスペースの無駄になってしまっていることもあるようです。例えば、同じだけの広さをただのクローゼットにしてしまえば、より多くの収納ができることも少なくありません。ウォークインクローゼットを配置する際は、本当に必要かどうかを考えることが大切だといえます。
トイレの間取りに関する失敗例
次はトイレの間取りです。
- ・階段下のトイレは狭い
- 2階建の建物の場合、スペースを活用するために階段下部分をトイレにすることが多いです。もちろん、十分なスペースが確保できていれば問題ないですが、なかには狭く感じてしまう方もいらっしゃるでしょう。
- ・2階にトイレを設置せず失敗
- 2階建の建物の場合、1階と2階それぞれトイレを設置すべきかどうかは悩むところです。しかし、1つしかトイレがなかった場合、朝の時間など、誰かがトイレを使っていると別の人が使えずに大変になってしまうこともあります。
- ・リビングから丸見えのトイレ
- コンパクトな住宅の場合、廊下を設けずにLDKに直接トイレを配置していることもあるでしょう。それ自体は問題ありませんが、配置に気を付けないと、リビングやダイニングからトイレの中が丸見えになってしまうことも。
- ご家族だけではなくお客さんが利用することを想定せずにプランニングして、失敗することもおおいようです。
- このようなことにならないためには、配置を変えたり、目隠しのための柱を配置したりといったことが重要になります。
キッチンの間取りに関する失敗例
次はキッチンの間取りでよくある失敗例をご紹介します。
- ・背面収納との距離は近くても遠くても大変
- 最近ではキッチンは対面式にするのが主流ですが、対面キッチンにおいて、背面収納との距離は近くても遠くても大変な思いをしやすいです。近い場合は、単純に狭いキッチンとなってしあいやすいでしょう。
- 一方、遠い場合は何か物を取ろうとしたときにワンステップ挟む必要があり、効率が悪くなってしまいます。
- ・冷蔵庫の配置は手前がいい?
- 冷蔵庫をキッチンの奥に配置してしまうと、お料理途中に冷蔵庫の中のものを別の誰かが取ろうとするたびに後ろを人が通ることになり、邪魔と感じてしまうこともあるようです。
- ・キッチンの中が丸見え?
- キッチンは毎日利用するもので、生活感を感じてしまいやすいもの。シンクやコンロ前の仕切りを高くするなど、手元が隠れる工夫をしないと急な来客の際など、キッチンの中が丸見えになってしまうことがあります。
リビングの間取りに関する失敗例
リビングの間取りはどのような失敗例があるのでしょうか。
- ・リビング階段で来客時に気まずい思いをしてしまう
- お子様の教育のために、といった理由でリビング階段が採用されることは多いですが、リビングの真ん中を通る必要があるような間取りだと、来客があるときに毎回気まずい思いをしてしまうという声もあるようです。
- 音やニオイなど2階に伝わりやすいといった問題もあるため、総合的に判断することが大切だといえるでしょう。
- ・吹き抜け採用でラニングコストが割高に
- 開放感のある家を実現するために、リビングに吹き抜けを採用したいという方は少なくないでしょう。しかし、吹き抜けを設けると空調の効きなど悪くなってしまう点には注意しなければなりません。
- ・テレビの配置を失敗してくつろぎにくリビングに
- リビングにソファを設置して、テレビを観ながらのんびり過ごしたいという方は多いのではないでしょうか。間取りを考える際には、リビングにどのようにテレビを設置するかなどよく考えることが大切です。
- 理想は、キッチンで家事をしながらでも、リビングでくつろぎながらでもテレビを観られるようにすることだといえます。
寝室の間取りに関する失敗例
次は、寝室の間取りに関する失敗例を見てみましょう。
- ・ウォークインクローゼットを大きくし過ぎて狭い寝室に
- 寝室の間取りを考えるにあたり、主寝室にはウォークインクローゼットを設置するケースも多いでしょう。その際、収納を重視しすぎて寝室を狭くしてしまい、狭苦しい寝室になってしまうケースがあります。
- 収納は収納で大事ですが、寝室も快適に過ごせる広さを意識することが大切だといえます。
- ・広すぎる寝室も問題となりやすい
- 一方、無駄に広い寝室にしてしまうのも問題だといえます。ライフスタイルにもよりますが、寝室は寝る時間だけしか使わないという方も多いでしょう。ベッドを置いたら、その他のスペースはほとんど使わないという方も多いはずです。
- 無駄なスペースになってしまわないよう、間取り全体から適正な広さを考えることが大切です。
浴室の間取りに関する失敗例
次は浴室の間取りに関する失敗例です。
- ・十分な広さがない
- 浴室にはいくつかの広さがあります。まずは、ショールームやモデルハウスで浴室の広さを確認したうえで、どのくらいの広さがあればよいかを確認しておくのがおすすめです。
- ・タオルなど置くための十分なスペースがない
- 浴室に隣接して配置する洗面脱衣所について、収納の配置など事前に考えておかないと、タオルなど置くための十分なスペースがないという自体になってしまいかねません。
- 洗面脱衣所には洗面所と洗濯機を置いたうえで、どこに収納スペースを確保するかしっかり考えておくことが大切です。
- ・寝室の近くに配置すると音がうるさいケースがある
- 寝室の近くに浴室を配置すると、例えば親が寝静まった後、夜遅くに子供が帰ってきてお風呂に入ると水の音がうるさいといったことになりやすいです。
- 特に音に敏感な方は浴室の配置についても気を付けたほうがよいでしょう。
子ども部屋の間取りに関する失敗例
子供部屋の間取りの失敗例について見ていきましょう。
- ・ドアを1つしかつけておらず子供が増えても区切れなかった
- 家を新築した後に子供が産まれて家族が増えるケースもあるでしょう。そうしたケースに便利なのが、広めの子供部屋にドアや窓など2部屋分配置しておくことです。必要に応じて、将来区切りをつけて2部屋分にするといったことが可能です。
- ・子供部屋からしかベランダにいけない間取りになってしまった
- ベランダを設ける場合、子供部屋から行く場合と主寝室から行く場合、廊下から行く場合などに分けることができるでしょう。廊下から行くことができれば、誰でも利用しやすいベランダとなりやすいですが、特に子供部屋からしかいけないベランダで、洗濯物を干す場合には、毎回子供部屋を通らねばならず、子供が大きくなると不満に感じてしまうことも多くなってしまいます。
- ・エアコンの配置を考えていなかった
- 子供が小さいうちに家を購入するという場合は、購入時はエアコンを設置しないというケースもあるでしょう。
- そうしたケースで、将来エアコンを設置しようと思っていたものの、配管すると外観が悪くなってしまうことがある点に注意が必要です。
和室の間取りに関する失敗例
引き続き、和室の間取りに関する失敗例です。
- ・和室を設けなかった
- 最近ではそもそも和室を設けないケースも少なくありません。もちろん、和室を設けなくてよいという方もいらっしゃるでしょうが、例えばご両親がたまに泊まりにくるときに和室を利用したいといったケースも想定しておくことが大切です。
- ・仏間を設けるときは2階の間取りにも注意
- 和室に仏間や神棚を設けるときは、上を歩かないほうがよいとされています。配置を工夫して、上に屋根しかない場所や収納がくるようにするとよいでしょう。
- ・湿気が溜まる場所に配置する際は注意
- 和室を北側など湿気が溜まりやすい場所に配置すると、畳にカビが生えやすい点に注意しなければなりません。
- 基本的に湿気が溜まりやすい場所に配置するか、できない場合は頻繁に湿気を除去するなど工夫しなければなりません。
玄関の間取りに関する失敗例
ここでは玄関の間取りに関する失敗例を見ていきましょう。
- ・玄関が暗いと建物全体が暗い印象になりやすい
- 玄関は家に入るときに最初に通る場所です。
- 日当たりが悪い場所に配置するなどして、暗い印象になると家全体が暗い印象になってしまいやすい点に注意しなければなりません。
- ・玄関が狭いと物が散乱してしまいやすい
- 玄関には靴以外にも外から持ち込むベビーカー、アウトドアの趣味を持っている方はその道具など、さまざまな物を置く場所となりやすいです。
- そうした物の置き場所を確保しておかないと、物が散乱する結果となってしまいやすいでしょう。
- ・靴棚やシューズクロークが臭いの原因となることもある
- 玄関に靴棚やシューズクロークを置く場合、必要以上に靴を置き過ぎてしまうと臭いの原因となってしまうことがあります。
- 収納する予定の靴の数から、必要な収納の広さをしっかり確保しておくことが大切です。
階段の間取りに関する失敗例
階段の配置における失敗例もあります。
- ・階段下のスペースを活用できていない
- 階段の下はやや高さが低くなることから、普通の居室スペースとしては使いづらいことが多く、トイレや収納などのスペースとして使うことも多いです。
- 階段を設置する段階で、階段下のスペースをどのように使うか考えておくことが大切だといえます。
- ・リビング階段にするとエアコンが効きにくくなる
- 階段を設けると当然のことながら、階段部分の天井は2階に合わせることになります。
- このため、リビング階段にすると、天井が2階部分までになり、空調の効率が悪くなってしまう点には注意が必要です。
バルコニーやベランダの間取りに関する失敗例
バルコニーやベランダの間取りに関する失敗例を見ていきましょう。
- ・エアコンの室外機を置くと狭くなる
- ベランダの幅が狭い場合、最初は歩けるだけあればよいと考えていたようなケースでも、室外機を置くことで歩くことさえでくなくなってしまうということがある点に注意が必要です。
- ・エアコンの室外機で外観が悪くなる
- また、同じく室外機の問題として、2階の部屋に設置するエアコンの室外機をベランダに持ってくると、正面から見える場所にベランダがある場合に、家の外観が悪くなってしまうことがある点に注意が必要です。
- 外観にもこだわりたいのであれば、最初から室外機の配置まで考えておくべきだといえるでしょう。
庭に関する失敗例
次は庭に関する失敗例です。
- ・ 庭が広いと費用が高くなる
- 庭の広い家に住みたいと、敷地面積の広い土地を購入した場合、庭が広いと外構の費用がかなり高くなってしまうことが多い点に注意が必要です。
窓に関する失敗例
窓に関する失敗例についても見ていきましょう。
- ・窓が少ないと閉塞感のある家になってしまう
- 窓は外気の影響を受けやすいため、あまり多く設置すると、夏に暑く、冬に寒い家となってしまいやすいです。
- 一方、窓が少ないと閉塞感を感じやすい家になってしまう点に注意しなければなりません。
- ・道路側に設置する窓は外からの視線に注意
- 道路側に大きめの窓を設置する場合、外から家の中が丸見えになってしまうことがある点に注意しなければなりません。
- できれば道路側の道路は小さめにするか、視線を遮るものを庭に置くなどすることが大切です。
- ・南や西に大きな窓を設置すると日差しがきつくなりやすい
- 南側や西側に大きな窓を設置すると、家の中に日が入ってきて明るい家となりやすいですが、日中から夕方にかけて日差しがきつくなりやすい点に注意が必要でしょう。
電源に関する失敗例
電源に関しても注意しなければなりません。
- ・電源が少ない場合に後から追加すると高額な費用となりやすい
- 家の間取りを考える段階で、必要な電源の数をすべて把握するのは簡単ではないでしょう。後から追加で必要になったといったケースでは、場所によっては高額な費用がかかってしまうことがある点に注意しなければなりません。
- 家の外側にある壁の場合は、断熱材を施工していることから、追加には大きな費用がかかってしまいやすいです。電源の数については、余分に感じる程度に配置しておくのがおすすめです。
照明に関する失敗例
最後に照明に関する失敗例を見ていきましょう。
- ・寝室の照明が明るすぎる
- 寝室の照明で、寝る前に付ける程度のものだと、明るすぎる照明は邪魔になってしまうことが多いです。可能であれば、明るさを調整できる照明を導入するなどするとよいでしょう。
- ・スイッチの配置に注意
- リビングやダイニング、キッチンのスイッチなど複数配置するようなケースでは、1つのスイッチで複数の照明がついたり消えたりするよう配線することもあるでしょう。
- そうしたケースで、1つのスイッチを消すと暗くなりすぎて、つけると明るくなりすぎる、といった問題が発生することがあります。
- 配線の段階で、どこのスイッチを押せばどこのスイッチが消えるかなど、生活をイメージしながらプランニングしていくことが大切だといえます。
注文住宅の間取り決めで後悔しないコツ
ここでは、注文住宅の間取り決めで後悔しないコツを見ていきましょう。具体的には以下の4つです。
- ・ライフスタイルから間取りを決める
- ・家族構成の変化を見据えておく
- ・水回りは実用性を重視する
- ・生活しやすい動線か確認する
ライフスタイルから間取りを決める
すべての一人に適した間取りはなく、それぞれのライフスタイルから間取りを考えていくことが大切です。
例えば、朝は太陽の光を浴びて目覚めたいという人は、寝室やリビングを東側に配置するといったことを考えるとよいでしょう。
逆にライフスタイルを考慮せず、例えば、寝室で長い時間を過ごすのにも関わらず、寝室に十分な明るさのある照明を配置していないといったケースでは、快適に過ごせなくなる可能性があります。
家族構成の変化を見据えておく
家を建ててから家族が増えたり、減ったりする可能性を考慮して間取りを考えることが大切です。
例えば、子供が増える予定があるのであれば子供部屋が必要ですし、両親のうちのどちらかと一緒に暮らす可能性があるのであれば、寝室になる部屋を用意しておくとよいでしょう。
また、将来子供が家を出ていったあとは、夫婦二人で過ごしていく可能性があります。そうした、将来のことも考えて間取りを考えることが大切だといえます。
水回りは実用性を重視する
水回りに関してはデザイン性より実用性を重視するのがおすすめです。
例えば、おしゃれなキッチンは憧れるものですが、毎日使うものなので、使いづらいものだと生活の質が落ちてしまうことでしょう。
お風呂などは掃除が大変なもので、デザイン性を重視した結果、カビなど生えやすいものを選んでしまうと、結局見た目が悪くなってしまうといったことにもなりかねません。
生活しやすい動線か確認する
間取りを考える際には実際の生活をイメージしたうえで、生活しやすい動線かを確認しておくようにしましょう。
例えば、洗濯した後に、ベランダで物を干すのか、浴室の乾燥機を使うかなどあらかじめ考えたうえで、動きやすい動線を考えるのです。
場合によっては、洗濯機を置く洗面脱衣所の隣にサンルームを配置するといったことも考えられるでしょう。
現在、毎日の生活をどのように過ごしているか、また新居ではどのように過ごしていきたいか考えたうえで間取りを考えていくことが大切です。
まとめ
今回は、注文住宅の間取りを考えるにあたり、部屋ごとの間取りの失敗例と失敗しないためのコツをご紹介しました。
まずは、ご自分と家族がどのような生活を送っているのか、また送りたいのかを考えたうえで、間取りを考えるプロに相談しながら考えていくのがよいでしょう。
具体的に、どのように考えていけばよいか迷ったら、ANAの住まいで無料オンライン個別相談をすることも可能です。間取りについて気になることがあれば、まずは相談してみてはいかがでしょうか。