一軒家が古くなり、建て替えを検討しているけれど費用面で不安に感じていませんか?建て替えは土地ありの建物を解体するため、新築や購入にはない工程や費用が発生します。この記事では、家の建て替えを検討している方むけに、費用や、費用を抑えるコツについて解説しています。建て替えを検討している方、建て替えかリフォームか迷っている方は参考にしてください。

家の建て替えにかかる費用の相場

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国土交通省 住宅局が発表している「令和3年度住宅市場動向調査報告書」によると、家の建て替えにかかる購入資金の相場は平均3,299万円。購入資金のうち借入金を除いた自己資金は1,828万円で、購入資金に占める自己資金の比率である自己資金比率は55.4%となっています。

建て替えをする方は、他の物件種類よりも自己資金比率が高い傾向にあるようです。

参考:令和3年度住宅市場動向調査報告書

家の建て替えにかかる費用の仕組みを理解すれば、費用を抑えるコツが見えてくるかも知れません。以下、建て替えにかかるさまざまな費用について詳しく解説していきます。

 家の建て替えにかかる費用の内訳

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家を建て替えるとき、主に以下のような費用がかかります。

  • ・解体工事費用
  • ・測量費
  • ・地盤調査費用
  • ・設計料
  • ・引っ越し費用
  • ・諸費用

各費用の概要や相場について解説していきます。

解体工事費用

建て替えはリフォームとは異なり、基礎部分まで取り壊して新たに住宅を建築する方法です。

そのため家を建て替える場合、まず古い家を解体しなければなりません。家を解体する場合の解体工事費用は、建物の構造や周辺環境によって異なります。

建物の構造別の解体工事費用の目安は、以下の通りです。

【解体工事費用の相場】

構造 坪単価
木造 約4万~5万円
軽量鉄骨造 約6万~7万円
鉄筋コンクリート造 約7万~8万円

測量費

敷地の面積や、隣接地との境界を明らかにすることを測量といいます。建物を建てる際、建築基準法によって建ぺい率や容積率の制限を受けます。

建ぺい率とは「敷地面積に対する建物面積の割合」、容積率とは「敷地面積に対する延床面積の割合」のことを言いますが、建ぺい率や容積率の制限を超える建物を建てることはできません。

そのため建て替えた家が、建ぺい率や容積率を超えることがないよう、あらかじめ測量で敷地面積を明らかにしておく必要があるのです。

また、測量をせずに隣の境界をあいまいにしたまま解体工事を始めると、隣の方が自分の敷地だと思い込んでいる箇所まで解体してしまい、トラブルに発展してしまう可能性があります。

測量費は土地家屋調査士や調査士に依頼する必要があり、その目的によって費用は異なりますが、建て替えに関連する測量であれば30万円前後が相場です。

地盤調査費用

建物のような重量のあるものを建てるときは、それを支える地盤が十分強固なものかを確認する必要があります。

地盤が弱い土地に何の対策もなく家を建てると、地震がおきたときに地盤沈下や液状化のリスクが高まるため、地盤調査は大変重要な工程です。

地盤調査の方法は、スウェーデン式サウンディング試験とボーリング調査があり、かかる時間や費用が異なります。

【スウェーデン式サウンディング試験とボーリング調査の違い】

  スウェーデン式サウンディング試験 ボーリング調査
概要 建設する場所に鉄の棒を差して測定する方法 機械で穴を掘って測定する方法
所要時間 半日~1日程度 1日~数日程度
費用 約5万円~10万円 約20万円

仮に、地盤調査の結果に建物を支える力が足りない問題があった場合、建物の基礎を変更したり、地盤にセメントを流し込んで補強する「表層改良工法」や、鋼管を地面に打ち込んで補強する「鋼管杭工法」などの地盤改良工事を施します。地盤改良には建物の大きさや工法にもよりますが50万円~200万円程度かかる場合が多いようです。

設計料

家を建て替えるためには、まず新しく建てるための家の設計が必要になります。設計を設計事務所に依頼する場合の設計料は、おおよそ建築費の10%程度が相場です。

3. 建築費

建築費とは建て替えをするときに生じる、建物工事や設備工事費、材料費など、建築に関するさまざまな費用全般を指します。

建て替え工事における1坪あたりの工事費用の相場は約65万~90万円といわれています。そのため、建築費は30坪の一軒家であれば約1,950万~2,700万円、40坪の一軒家であれば約2,600万~3,600万円が目安です。

引っ越し費用

家を建て替えると、これまで住んでいた場所を失うことになるため引っ越しが必要です。さらに建物が完成すると、引っ越した先から戻ってくることになるため、引っ越し費用が2度かかります。

また建て替えには5~8ヶ月程度の期間を要するため、賃貸アパートなどへの引っ越しが必要になる場合もあるでしょう。仮に賃貸アパートなどへ引っ越す場合、家賃や敷金、礼金、仲介手数料などの準備も必要です。

諸費用

家を建て替えたときも、登記費用や印紙税などの諸費用はかかります。諸費用のうち代表的なものを紹介します。

  • ・印紙税

建て替えの場合は、建設工事請負契約書の印紙税が必要です。2024年3月31日までの間に作成した建設工事請負契約書のうち、契約書に記載された契約金額が100万円を超えるものは軽減税率が適用されます。

  • ・登録免許税

建て替えの場合、建物を解体するため建物滅失登記と建て替えた家の所有権保存登記が必要です。また住宅ローンが残っていて、新たに建て替えローンなどを利用するときは、抵当権抹消登記と、抵当権の設定登記も必要になります。

  • ・司法書士報酬

登記手続きは自分でもできますが、書類をそろえたり、登記申請書を作成したりする必要があり手間がかかるため、司法書士に依頼するのが一般的です。

  • ・不動産取得税

土地や建物の取得時に一度だけかかる地方税です。土地や建物の課税標準額に4.0%(2024年3月31日までは軽減税率が適用となり3.0%)を乗じて計算します。

  • ・火災保険料/地震保険料

建物が火災や洪水、台風などの天災で損害を受けたときなどの修理代を補償します。ただし地震の損害は火災保険だけでは補償されないため、地震保険の加入が必要です。

家を建て替える流れ

飛行機の模型

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建て替えは新築とは異なり、これまであったものを解体して、引き渡し後、新たな家に住むことになるため、新築や購入より少し工程が複雑です。建て替えの大まかな流れと、おおよその期間について見ていきましょう。

【建て替えから引き渡しまでの流れ】

  1. ハウスメーカーや工務店などの建築会社を探す

  2. 設計プラン

  3. 建設工事請負契約書の締結

  4. 住宅ローンの申し込み

  5. 解体業者を探す

  6. 仮住まいの選定

  7. 地盤調査・地盤改良

  8. 解体工事

  9. 建て替え工事(新築工事)

  10. 引き渡し・登記

建て替えにかかる期間の目安は、1.~4.までの工程で1ヶ月~1年、5.~9.の工程で5~8ヶ月、引き渡し及び登記手続きは1日かかります。

すこしでも建て替えにかかる期間を短くしたいときは、打ち合わせ回数を少なくしたり、施工期間の短い工法を選んだりするなどの方法を検討してみましょう。

設計プランについて家族と共有していないと、家族からの反対を受けて、何度も打ち合わせが必要になる場合があります。設計プランを家族と共有しておくだけでも、引き渡しまでの期間は短縮できるでしょう。

また建て替える物件の工法によって施工期間が異なります。一般的に木造(在来軸組工法)より、ツーバイフォー工法のほうが1ヶ月程度、工期が短い傾向があります。

家の建て替え費用を抑えるコツ

白いシャツを着ている人の手

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建て替えはお金がかかるため、建て替え費用を抑えられる所はないか検討してみましょう。建て替え費用を抑えるコツとして、主に次の3点が挙げられます。

  • ・複数の業者に見積もりを依頼する

  • ・安い建築工法を採用する

  • ・閑散期に引っ越す

各項目について詳しく解説します。

 複数の業者に見積もりを依頼する

建て替えの見積もりを一社だけに依頼すると、割高な項目があっても気がつかないかもしれません。見積もりを複数社に依頼して、各項目の単価を比較すればそうしたことは避けられます。

また見積もりを依頼するときは、同じ条件で出しておくと用意に比較できます。

 安い建築工法を採用する

建築工法とは家を建てる方法のことで、建築工法が異なると仕様する素材や構造が異なるため建築費も変わります。

建築工法には、軽量鉄骨造、鉄筋コンクリート、ツーバイフォーなど多くの方法がありますが、多くの工務店が手がけている木造在来工法が、最も建築費が安い傾向があります。

閑散期に引っ越す

建て替えをすると、引っ越しが必要になりますが、一般的に転勤や就職などで繁忙期を迎える3~4月や、大型連休がある5月、8月は引っ越し代が高い傾向にあります。

引っ越し代が安い閑散期に合わせることで、買い替え全体の費用を抑えることができるでしょう。また引っ越し代も比較も複数業者から見積もりを取り寄せて比較をすることが大切です。

 まとめ

建て替えは解体工事費用や引っ越し代など、特有の費用が発生するため、各工程で発生する費用にはとくに注意が必要です。建て替えで生じる費用の仕組みを理解して、費用ごとにより安い方法はないか検討してみる、複数社から見積もりをとるなどの方法でさらに建て替え全体の費用は抑えられるかもしれません。

ANAの住まいでは住宅購入に関する無料相談を実施しています。建て替え費用が不安な方は活用してみましょう。

 

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