新築一戸建ての購入を検討している方の中には、どのような物件を選ぶべきか悩んでいる方も多いと思います。悩んだまま購入して後悔することがないように、新築一戸建ての理解を深めてから購入に臨みましょう。
この記事では、新築一戸建ての種類、戸建ての選び方、優先順位や注意点などについて解説します。記事を読めば、新築一戸建てについての理解が深まるため、自分に合った新築一戸建てが見つかりやすくなるでしょう。
そもそも新築一戸建てとは?
新築一戸建てとは、新築かつ独立した1棟の住居のことです。マンションのように壁や床、天井などを隔てて他の住民と接していないため、周囲を気にせず済む、プライバシーが確保されているのが戸建ての特徴です。
新築一戸建ては、建売住宅と注文住宅の大きく2つに分類されます。両者のメリット・デメリットをまとめました。
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メリット |
デメリット |
建売住宅 |
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注文住宅 |
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両者の違いを詳しく見ていきましょう。
建売住宅
建売住宅とは、土地と建物をセットで販売する住宅のことです。建築が完了したうえで販売されるものもあれば、建築前または建築途中で販売されるものもあります。建売住宅と似たものに分譲住宅がありますが、分譲地に建てられている物件が分譲住宅、それ以外の物件が建売住宅と分けることができます。両者とも土地と建物がセットで販売されるという点は同じです。
建売住宅のメリットとデメリットは以下の通りです。
【建売住宅のメリット】
- ・価格が注文住宅と比べて安い
- ・物件を確認してから購入できる
- ・居住までの期間が短い
建売住宅は間取りや仕様などが決まっており、人件費を抑える、資材をまとめて発注できるため、注文住宅より価格を抑えることが可能です。また、建物が完成しており、内覧で室内・外観などを確認してから購入できるので失敗するリスクが低く、契約後も1~1か月半程度で入居できるのも魅力です。
【建売住宅のデメリット】
- ・自分の意見を反映できない
- ・個性がない
- ・多くの人が訪れている
建売住宅は間取りや仕様などが決まっているため、基本的に自分の意見を反映できません。そのため、住宅に個性を発揮できないのが欠点です。また、建築後に内覧が行われている建売住宅の場合は、多くの見学者が訪れており、見学による室内の傷みが気になる、室内を知られていることに抵抗感を覚える方もいるでしょう。
建売住宅は、新築一戸建ての取得価格を抑えたい方、できる限り早く入居したい方、実際に物件を見てから購入したい方などに向いているでしょう。
注文住宅
注文住宅とは、注文を受けてから建築を開始する住宅です。設計士と打ち合わせを行い、間取りや仕様などを決めてから建築が開始されます。
注文住宅のメリットとデメリットは以下の通りです。
【注文住宅のメリット】
- ・自分の意見を反映できる
- ・個性的な住宅を建てられる
- ・立地条件を指定できる
注文住宅は設計士と打ち合わせで間取りや仕様などを決めてから建築できるため、自分の意見を反映できる、個性的な住宅を建てられます。また、建売住宅のように土地と建物のセット販売ではなく、自分の好きな土地に建てられるため、立地を選べる点は大きなメリットです。
【注文住宅のデメリット】
- ・入居までの時間がかかる
- ・価格が建売住宅と比べて高い
- ・購入前に確認できない
打ち合わせの期間、建築完了までの期間を考えると、入居までに1年程度かかることも少なくありません。また、価格が建売住宅よりも高くなるため、費用負担が大きい点に要注意です。購入前に確認できないため、実際に住んでみると理想とは異なり、後悔する可能性がある点もデメリットと言えるでしょう。
注文住宅は、価格がかかっても内装や間取りに自分の意見を反映させたい方、個性的な住宅に住みたい方、立地にこだわりたい方に向いているでしょう。
建売住宅と注文住宅はどっちがいい?
建売住宅と注文住宅はどちらも一長一短なので、一概にどちらがいいとは言い切れません。しかし、建売住宅は確認してから購入を判断できる、費用を安く抑えられるため、マイホームの購入を失敗したくない、住居費用を抑えたい方におすすめします。
マイホームは簡単に買い替えられるものではありません。そのため、せっかくのマイホームをこだわりのある個性的な物件にしたいという方、3LDK、4LDKなど一般的な間取りが希望ではない方には注文住宅をおすすめします。
上記のように目的によって最適な物件は異なるため、目的を明確にしてからどちらにするか決めましょう。
戸建ての選び方
新築一戸建ての購入で後悔しないためには以下の戸建ての選び方を事前に理解したうえで購入に臨むことが大切です。
- ・立地で選ぶ
- ・周辺環境で選ぶ
- ・価格で選ぶ
- ・広さで選ぶ
- ・間取りで選ぶ
- ・方角で選ぶ
- ・販売会社で選ぶ
- ・家の設備で選ぶ
立地で選ぶ
立地とは、建物が建っている場所や位置のことです。建売住宅は立地が事前に決まっていますが、注文住宅は決まっておらず自由に選ぶことができます。立地の良し悪しは日々の生活に直接影響する要因なので、しっかり考える必要があります。
例えば、駅までが遠い、近隣に商業施設がない場合、日々の生活が不便に感じるでしょう。また、夜道が暗いと交通事故や犯罪に巻き込まれるリスクが高いので要注意です。
さらには、立地によって、お子さんの通う学校にも影響が出ます。学区が異なる場合は転校を伴い、通いたい学校がある場合はその学区内の戸建てを取得する必要があります。購入後に後悔しないためにも、戸建てを購入する場合、以下のポイントを押さえながら便利さ・安全性などを意識して選びましょう。
失敗しないためのポイント
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周辺環境で選ぶ
注文住宅は立地を自分で選ぶことができるため、騒音がひどくないか、異臭がしないかなどの周辺環境を事前に確認してから購入することが可能です。
建売住宅は立地が決まっており、注文住宅のように自由に選べるわけではありません。また、分譲住宅の場合、先に入居すると後から入居してきた家族とトラブルに発展する可能性もあります。
また、戸建ての種別に関係なく、災害リスクを少しでも抑えるためにも、災害リスクの高い環境かどうかを確認することも重要です。ポイントを押さえても、将来のトラブルまで完全に回避できるわけではありませんが、以下のポイントを押さえれば、現在だけでなく将来的なトラブルの回避も期待できるでしょう。
失敗しないためのポイント
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価格で選ぶ
住宅ローンを利用することで、マイホーム購入のハードルは下がります。しかし、安易に住宅ローンを利用すると、病気や怪我などで返済できなくなった、支出の増加で資金がショートして返済できなくなったといった事態に陥る可能性があるので注意が必要です。
特に注文住宅は建売住宅と比べて価格が高額になりやすいため、資金計画をしっかり立てましょう。
失敗しないためのポイント
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広さで選ぶ
建売住宅は標準的な広さで建築されているケースが多い一方、注文住宅は土地に合わせて自由に広さを調整できます。自由に広さを調整できると言っても、建築基準法の建ぺい率・容積率などを遵守する必要があります。
一戸建て住宅の広さの目安は以下の通りです。
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最低居住面積水準の面積(㎡) |
誘導居住面積水準の面積(㎡) |
1人世帯 |
25 |
40(55) |
2人世帯 |
30(30) |
55(55) |
3人世帯 |
40(35) |
75(65) |
4人世帯 |
50(45) |
95(85) |
※()内は3~5歳児が1名いる場合、誘導居住面積は都市部を想定
注文住宅は建売住宅のように建物を確認してから購入できないため、広さを把握しにくい点に注意しましょう。
失敗しないためのポイント
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間取りで選ぶ
部屋の配置や数が家族構成と合っていない場合、日々の暮らしが不便に感じる可能性があります。そのため、一戸建てを選ぶ際は、各間取りの違いを把握したうえで決めることが大切です。
間取り |
特徴 |
2LDK |
リビング・ダイニング・キッチン+2部屋の間取りです。 |
3DK |
ダイニング・キッチン+3部屋の間取りです。 |
3LDK |
リビング・ダイニング・キッチン+3部屋の間取りです。 |
4DK |
ダイニング・キッチン+4部屋の間取りです。 |
4LDK |
リビング・ダイニング・キッチン+4部屋の間取りです。 |
建売住宅は規格がある程度決まっているため、部屋数が多いプランでは1部屋当たりの広さが小さいケースが多いです。一方、注文住宅は間取りにこだわりすぎると金額が膨らみやすいので注意してください。
失敗しないためのポイント
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方角で選ぶ
戸建てを選ぶ際は、敷地がどの方角の道路に接しているか(道路付け)によって、特徴が異なります。方角によるメリット・デメリットは以下の通りです。
方角 |
日当たり |
メリット |
デメリット |
東 |
良い |
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西 |
普通 |
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南 |
良い |
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北 |
あまり良くない |
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建築基準法では、幅員4m以上の建築基準法上の道が道路としてみなされます。敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接していない場合は、原則建物を建築できません。4m未満の場合は、道路の中央から2m後退したところを道路の境界線とみなすことで、建築できるケースもあります(セットバック)。
道路付けによって日当たりや利便性にも影響するため、各方角の道路付けの特徴を確認しておきましょう。
失敗しないためのポイント
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家の設備で選ぶ
家の設備が充実していれば快適性がアップしますが、不必要な設備があっても物件価格が高くなるだけなので注意が必要です。
例えば、浴室テレビやホームシアターは快適性がアップしますが、ほとんど利用せず費用だけがかかったという方も多いです。逆にいざ住んでみたところ、設備が不足していて不便に感じたという方もいます。
建売住宅では人気のある設備が盛り込まれているケースが多いですが、価格帯によっては最低限の設備のみが盛り込まれているケースもあります。注文住宅の場合は1から設備を決めなくてはならず、選び忘れがないように注意しましょう。
失敗しないためのポイント
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販売会社で選ぶ
一戸建て住宅の販売会社は、どの住宅を購入するかで異なります。建売住宅や注文住宅はハウスメーカーや工務店、新築住宅の一部や中古住宅は不動産仲介会社が販売を担当します。
依頼者のニーズよりも自社の都合や利益を優先して物件を提案された場合は、住んでから後悔する、返済に支障が生じる恐れがあるので注意が必要です。
建売住宅・注文住宅ともに、不動産の専門家である販売会社のサポートは必須です。信頼できる販売会社かしっかり確認しましょう。
失敗しないためのポイント
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新築戸建てを選ぶ際の優先順位
新築一戸建ての選び方を紹介しましたが、全ての条件にこだわってしまうと、物件選びが思うように進みません。焦って決めると失敗するリスクが高まるため、失敗を未然に防ぐため、速やかに選ぶためにも、優先順位を決めて新築一戸建てを選ぶことをおすすめします。
例えば、予算を明確にすると、他の項目が決まりやすくなります。予算が注文住宅に達していない場合は建売住宅から候補を選択する、予算に余裕がある場合には立地にこだわるなどです。
何を優先するかは人によって異なるため、家族間でしっかり話し合い、納得いくマイホーム購入のためにも、優先順位をしっかり決めてから購入に臨みましょう。
新築戸建てを選ぶ際の注意点
新築一戸建てを選ぶ際は以下の点にも注意が必要です。
- ・資金計画を立てる
- ・家族で意見を統一させる
- ・建売住宅の場合は内覧をする
- ・モデルルームや実際の施工事例等で確認する。
資金計画を立てる
住宅ローンを利用することでマイホーム購入のハードルは下がります。しかし、あくまでも住宅ローンは借入金で、返済を伴うことを忘れてはなりません。
契約当初は問題のない契約条件でも、返済途中で病気や怪我で収入が減少した、急な出費で資金繰りが悪化したことが原因でマイホームを手放さすことになったという方もいます。
資金計画をしっかり立てて、万が一の事態が生じても落ち着いて対応できるような状態にしておきましょう。
家族で意見を統一させる
生涯居住する可能性もあるマイホームなので、自分だけでなく家族全員が気持ちよく暮らせる環境であることが不可欠です。そのため、新築一戸建てを購入する際は、自分の意見だけを主張するのではなく、家族の意見も取り入れながら全員が納得できるマイホームを目指すことが大切です。
家族と話し合う際は、意見を書き出し、実現できるものとできないものに分けながら優先順位をつけると、円滑に話し合いが進みます。未婚の夫婦の場合、将来生まれてくるお子さんのことも考慮して決めましょう。
建売住宅の場合は内覧をする
建売住宅の場合、建物が完成しているため、実際に建物を確認することが可能です。これを内覧と呼びます。内覧は広さや間取り、設備などを確認できるだけでなく、日当たりや遮音性などを確認できる重要な機会です。
注文住宅の場合は体験宿泊や引渡し前の施工事例の見学会がある場合もあります。実際に見るまたは、泊まることにより、日当たりや遮音性も確認できます。
コンセントの数や位置なども住んでから不便に感じることもあるため、内覧の際に何を確認する必要があるのかをメモしておき当日に確認忘れがないようにしましょう。
新築戸建てを購入したら控除や補助金を活用しよう
新築一戸建てを購入する際は、控除や補助金を利用することによって費用負担を軽減できます。しかし、新築一戸建てを購入すれば必ず控除や補助金を利用できるというわけではありません。要件を満たす必要がある、申告が必要などのように控除や補助金によって異なるため、どのような控除や補助金があるか把握しておくことが大切です。新築一戸建てを購入する際に利用できる主な控除や補助金は以下の通りです。
- ・住宅ローン減税
- ・こどもエコすまい支援事業
- ・ZEH補助金
- ・地域型住宅グリーン化事業
- ・住宅取得資金等の贈与税の軽減
- ・不動産取得税や登録免許税などの各種税金の軽減
控除や補助金を使用したい場合には、要件を満たす新築一戸建てを取得しなくてはならないため、利用できる控除や補助金を調べておきましょう。
新築戸建ての選び方に関するよくある質問
最後に新築戸建ての選び方に関してよくある質問にお答えします。
Q.新築の基準は?
新築住宅とは、新たに建設された住宅で、建設工事の完了から1年以内、人が住んだことのない住宅です。
参照:e-GOV法令検索「住宅の品質確保の促進等に関する法律 第2条2項」
Q.買ってはいけない戸建てはある?
リスクが潜んでいる戸建ては、避けた方が無難です。例えば、以下のような災害の影響を受けやすい立地 は注意が必要です。
- ・埋立地や盛土をした造成地→地盤が軟弱
- ・近くに川がある、水が溜まりやすい→雨の影響を受けやすい
- ・崖や擁壁に隣接している→崖崩れや土石流、地すべりの危険性がある
Q.家の敷地はどこまで?
家の敷地は、境界標を確認すればわかります。境界標とは、土地の四隅に埋められている隣地との境界線を見分けるための目印です。
Q.2階建ては何メートル?
地上から屋根までの高さは6~7mです。
まとめ
新築一戸建ては、建売住宅と注文住宅の大きく2つに分類されます。両者は一長一短でありどちらが良いとは言い切れないため、違いをしっかり把握し、自分に合った物件がどちらなのか見極めましょう。
新築住居購入時に補助金や控除を利用すれば、住宅購入にかかる費用負担を少しは軽減できます。しかし、自動的に受けられるわけではありません。補助金や控除を利用するためには、要件を満たす必要があるほか、手続きも必要です。新築住居を購入する前に、補助金や控除について調べておきましょう。
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