土地探しにおいて、100%理想の土地に出会うのは簡単ではありません。この記事を見ている方の中にも、土地探しに悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。家づくりにおいて最初の関門になりやすい土地探しでは、優先順位をつけることが大切です。 

本記事では、優先順位をつけることを始めとした、土地選びのポイントや注意点などご紹介します、 

住宅を建てる土地の選び方

 住宅を建てる際の土地の選び方はどのようにするとよいのでしょうか。ここでは、以下3つのポイントをご紹介します。 

  • 生活の利便性が高い土地から選ぶ
  • 通学・通勤の利便性が高い土地から選ぶ
  • 予算内で購入できる土地から選ぶ

 それぞれ見ていきましょう。

生活の利便性が高い土地から選ぶ

まずは、生活の利便性が高い土地から選ぶことを考えるとよいでしょう。土地を購入して家を建てると、その場所に数十年は住む可能性があります。快適に過ごしてくためには、スーパーなど生活するうえで必要な施設が近くにあるかどうかを確認しておくのがおすすめです。 

生活の利便性が高い土地かどうかを判断するポイントとして、以下のリストをご活用ください。 

【生活の利便性を確認するチェックリスト】

  • スーパーが近くにあるか
  • 病院が近くにあるか
  • 小さなお子様がいる(もしくは出産の可能性がある)場合は小児科が近くにあるか
  • 歯医者は近くにあるか
  • 駅・バス停は近くにあるか
  • 自動車を持つ場合は駐車スペースは十分か
  • 金融機関は近くにあるか 

日々の生活をイメージしてみて、普段行く施設が近くにあるかどうかを確認しておくとよいでしょう。上記は一般的な施設を中心にご紹介していますが、例えば定期的にジムに行くといった人であれば、ジムが近くにあるかどうかをリストに挙げるのもおすすめです。

通学・通勤の利便性が高い土地から選ぶ

2つ目として、通学・通期の利便性が高い土地かどうかを確認しましょう。 

【通学・通勤の利便性を確認するチェックリスト】

  • 学校や職場まで乗り換えをスムーズにおこなえるか
  • 駅までの距離はどのくらいか
  • 混む時間帯はないか
  • お子様の通学で危険な場所はないか 

通学・通勤は毎日のことなので、不便を感じない様にすることが大切です。また、お子様の通学に関しては危険がないかとといった点も押さえておくとよいでしょう。

予算内で購入できる土地から選ぶ

価格が予算に収まっていなければそもそも購入することができません。予算内で購入できるかどうかを早い段階で押さえておきましょう。 

家づくりにおいて、土地の予算を決めるときは以下のような流れで進めます。

  • 返済できる住宅ローン借入額から総予算を算出する
  • 総予算から家の購入費用と諸費用を差し引く 

まずは、返済できる住宅ローン借入額から総予算を算出します。 

例えば、現在の生活から、毎月10万円返済できるのであれば、3,500万円まで借り入れできるといった形です。毎月返済額から借入額を算出するには、住宅金融支援機構のフラット35公式サイトにあるローンシミュレーションを利用するとよいでしょう。

参考:フラット35-ローンシミュレーション

 なお、2021年度のフラット35の利用調査によると、土地付き注文住宅を購入された方の年収倍率平均は7.8倍となっています。 

例えば、年収400万円の人であれば3,160万円程度借りた計算となるなど、借入額を決める際の参考にするとよいでしょう。 

総予算を算出したら、家の購入費と諸費用を差し引きます。諸費用については、概ね総予算の5%10%程度かかると考えるとよいでしょう。借入額3,500万円であれば、175万円~350万円程度が諸費用となる計算です。 

また、建物価格についてはどのような建物を建てるかによります。建物にこだわりたいのか、土地にこだわりたいのか、最初の段階で家族で話し合っておくのがおすすめです。 

仮に、建物価格を2,000万円、諸費用を350万円とすると、3,500万円-2,000万円-350万円で土地価格は1,150万円となる計算です。 

理想の土地が見つかったとき、上記の流れ算出した予算より土地価格が高いという場合は、建物価格を安くするか、住宅ローン借入額を大きくするかのいずれかを検討しなければならないでしょう。 

後悔しないための土地選びのポイント 

 土地選びで後悔しないためにはどのような点に気を付けるとよいのでしょうか。ここでは、以下5つのポイントをご紹介します。 

  • 条件に優先順位をつける
  • ハザードマップを確認する
  • 密集市街地か確認する
  • 建ぺい率と容積率を確認する
  • 日当たりを確認する
  • 接道状況を確認する 

以下、それぞれ解説していきます。

条件に優先順位をつける

まずは土地選びの条件に優先順位をつけなければなりません。実際のところ、すべてが理想通りで100点満点の土地に出会えることはないと考えておいたほうがよいでしょう。 

優先順位の高い条件に合致する土地が見つかった場合は、優先順位の低い条件の点数が低くても、決めてしまうのです。そうしなければ、いつまで経っても土地が見つからないといったことになりかねません。 

優先順位については、以下のような項目でどれが重要かを決めておくと考えるとよいでしょう。

  • 価格
  • 広さ
  • 立地 

例えば、「家を建てたら定期的に庭でBBQしたい」といった方であれば、土地の広さがある程度広い必要がります。しかし、立地のよい場所に広さのある土地を求めようとすると、価格が高くなってしまうものです。 

もちろん、予算が足りるのであれば問題ありませんが、価格を抑えるために立地を諦めるのか、BBQを諦めるのかといったことなどあらかじめ決めておくことが大切です。

ハザードマップを確認する

ハザードマップを確認しておくことも重要です。ハザードマップは、自然災害など発生しやすい場所などが記されたもので、購入を検討している土地が自然災害の危険性がないかといったことを確認できます。 

ハザードマップでは、以下のような項目を確認するのがおすすめです。 

  • 地形を確認する
  • ハザードマップでは、地形を確認することができます。例えば、低いところにある土地だと、津波や河川の氾濫といった危険性もあるでしょう。また、周囲にがけなどあるエリアだとがけ崩れが起こる危険性があると考えられます。 
  •  
  • 災害の危険性を確認する
  • ハザードマップでは災害の可能性が高いエリアを確認することができます。地形だけでなく、ハザードマップ上に記載された災害に関する情報についても確認しておきましょう。 
  •  
  • 避難場所と避難経路を確認する
  • 万が一、災害が発生してしまった場合のために、近隣の避難場所や避難経路を確認しておきましょう。避難場所からあまりに遠い場合は土地を変更するといった判断も可能です。

密集市街地か確認する

密集市街地とは老朽化した木造建物が密集しており、付近に道路や公園などの公共施設が十分でないといったエリアのことで、密集市街地整備法において指定されています。 

密集市街地は、密集市街地に指定されたエリアは大きな地震が起こったときに市街地大火が引き起こされる可能性があると考えられるエリアで、阪神淡路大震災を教訓に制定されました。購入しようとしている土地が密集市街地である場合、万が一近隣で火災が起きたときは延焼が広がりやすい点に注意が必要です。 

なお、密集市街地については国土交通省のサイトから確認することができます。 

参考:国土数値情報ダウンロードサービス

建ぺい率と容積率を確認する

土地を探すときは建ぺい率と容積率を確認しましょう。建ぺい率は「敷地面積に対する建築面積の割合」、容積率は「敷地面積に対する延べ床面積の割合」のことです。 

より簡単にいえば、建ぺい率は土地の面積に占める1階部分の面積、容積率は土地の面積に占める各階の合計面積と考えれば問題ありません。 

建ぺい率、容積率はエリアごとに上限が定められていて、この上限を超えて建物を建てることはできません。 

建ぺい率と容積率については、各自治体の都市計画課等の窓口で教えてもらえる他、自治体によってはオンラインで確認することも可能です。例えば、東京都の場合は「都市計画情報等インターネット提供サービス」で確認できます。 

参考:都市計画情報等インターネット提供サービス

日当たりを確認する

土地選びの際には、日当たりも確認するのがおすすめです。日当たりがよい土地を確認する方法としては、以下のポイントを押さえておくとよいでしょう。 

  • 土地の南側に高さのある建物が建っていない
  • 隣地と十分な距離を取ることができる
  • 時間帯ごとの影の出来方を確認しておく

 なお、近くに高さのある建物が建っていないか確認する際は、現況だけでなく、将来建つ心配がないか、も確認しておくことが大切です。 

将来のことなので、何があるかは分かりませんが、近くに大きな空き地がある場合には、マンションなど建ってしまう可能性もあるでしょう。

接道状況を確認する

土地選びの際は接道状況も重要なポイントとなります。具体的には、以下のような点を押さえておくとよいでしょう。 

  • 前面道路幅員
  • 道路種別
  • 接道開口

土地のうえに建物を建てるためには、「4m以上の道路に2m以上接道している必要がある」という接道義務があります。そのため、まずは前面道路の幅員が4m以上あるかどうかは、非常に重要なポイントです。 

4m未満の場合、道路種別によってはセットバックといって、土地の一部を道路として使うことで建物を建てるといったことを考えることも可能です。 

また、接道義務を満たしていた場合でも、幅4mより6mなど余裕があったほうが車の出し入れがしやすかったり、陽当たりを確保しやすかったりといったメリットが生まれるでしょう。 

接道開口についても同様で、まずは道路に2m以上接道していなければ建物を建てることはできません。また、仮に2m接道していたとしても、幅が狭いと自動車の出し入れなどで不便を感じやすくなります。 

土地を選ぶ際には、こうした接道状況についてしっかり確認しておくことが大切です。 

土地の選び方に関する注意点 

 最後に、土地の選び方に関する注意点をご紹介します。具体的には以下の2つです。 

  • 気になる土地には複数回足を運ぶ
  • 購入するか早めに判断する 

それぞれご紹介します。

気になる土地には複数回足を運ぶ

土地探しを始めて、気になる土地が見つかったら、複数回足を運ぶことが大切です。天候や時間帯、曜日によって雰囲気や住みやすさなどが異なるためです。 

特に、通勤の時間帯に道路が混んでいないか、曇りの日と晴れの日の周辺の明るさはどうか、休日の周辺の雰囲気はどうか、など確認するとよいでしょう。

購入するか早めに判断する

気になる土地が見つかった場合には、早めに判断することが大切です。気になるけど他にもいい土地が見つかるかもしれないと後回しにしてしまうと、他の人に決まってしまう可能性があります。 

とはいえ、土地探しは高い買い物なので、軽率に判断することもできません。 

重要なタイミングで早く判断するポイントは、すでにご紹介した通り、優先順位をつけておくことです。自分や家族は何を一番重要視しているのか、立地なのか、土地の広さなのか、といった点をしっかり固めておくことが大切なのです。 

まとめ

この記事では、土地の選び方についてお伝えしました。土地選びは家づくりの最初の関門ともいえ、土地が決まるまで数年かかり、結局家づくりに進められないといった方は意外と多いものです。 

逆に、土地が決まればその後の流れもスムーズに進みやすいもの。優先順位の決め方や注意点など、土地選びをされる際は本記事の内容を参考にしてみてください。 

また、どのように土地を探していけばよいか迷っているという方は、最初の段階でプロに相談するのもおすすめです。ANAの住まいでは、住宅購入に関する無料相談が可能です。家づくりを考え始めたという方は、まずはご相談してみてはいかがでしょうか。

 

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