足元にあるため普段あまり意識しないものの、実は部屋の雰囲気や使い勝手を左右する「床材」。 

注文住宅を建てるときに床材を決める場合や、床のリフォームをするときに、色合いやデザインだけで決めている方が多いのではないでしょうか。 

しかし床材にはたくさんの種類があり、部屋ごとに適したものがあります。 

この記事では、床材の選び方や種類別の特徴、床材を選ぶ際のポイントをご紹介します。 

それぞれの床材のメリット・デメリットがわかるので、これから新築住宅を建てる方やリフォーム工事をする予定の方は、ぜひ参考にしてください。 

床材の選び方

まず床材を選ぶ際は、どのような部屋にしたいかをイメージし、部屋ごとに使う床材を最初に決めましょう。床材は家の中でも大部分を占め、部屋の印象を変える部材であるため、きちんとイメージをしてから選んでみてください。 

床材のイメージを決める

はじめに床材のイメージを決めておきましょう。 

床材は部屋の中でクロスの次に面積が大きく、どのデザインを選ぶかによって部屋の印象が決まると言っても過言ではありません。床材を選ぶときは、建物のデザインに合わせるのはいかがでしょうか。 

家全体のデザイン別に相性の良い床材は次の通りです。

  • ・ナチュラルまたは北欧テイスト:明るい色の床材
  • ・モダン:白やダーク系の床材やタイル
  • ・ヴィンテージ:味のある使い古されたようなデザインの床材
  • ・和風:畳とフローリングを組み合わせる 

このように家のイメージに合わせて床材を選ぶと統一感が生まれ、施工してからイメージが違ったという失敗を防げます。 

また、どういった部屋にしたいかをイメージして決める方法もあります。 

たとえば、清潔感を出したいときには白系の床材にする、落ち着いた雰囲気にしたい場合は黒系の床材、温かみのある部屋にしたいときはベージュやライトブラウンの床材など、部屋のイメージに合わせて選んでみてください。 

空間ごとの床材を決める

床材は部屋ごとに適しているものが異なるため、それぞれの用途によって床材を使い分けましょう。 

フローリングは木目調で温かみのあるデザインのため、家族が集まるリビングにぴったりです。表面がツルツルしているため、水をこぼしてしまってもさっとふき取れ、ダニやカビが発生しにくいメリットもあります。 

キッチンやトイレ、洗面所などの水回りはクッションフロアがおすすめです。クッションフロアは防水性が高く水を弾くため、雑巾でふくだけで簡単に水気を取れます。またクッション性があるため、長時間立っていても疲れにくく、転倒したときに衝撃を和らげられるのもポイントです。 

床材の種類

次に、床材の種類についてご紹介します。 

床材には主に次のような種類があります。

  • ・フローリング
  • ・クッションフロア
  • ・フロアタイル 

それでは、それぞれの床材のメリットやデメリット、使用に適した部屋を解説します。

フローリング

フローリングは最も多く使用されている床材で、温かみのあるデザインと機能性の高さが特徴です。無垢フローリングは天然の木材が使われており、複合フローリングは合板の表面にシートまたは天然木の薄板などを貼り付けたものです。 

フローリングは木目調のためほっと落ち着ける雰囲気を演出でき、掃除がしやすくダニやホコリが発生しにくいためリビングでの使用に向いています。 

ただ、無垢フローリングは傷が付きやすいため手入れに手間がかかり、複合フローリングは傷みがひどい場合は交換しなければならないのがデメリットです。 

クッションフロア

クッションフロアは塩化ビニールシートでできた床材で、耐水性が高くやわらかいのが特徴です。 

水をはじく素材のため、洗面所などの水回りで使うのに適しています。クッション性があるため、長時間立ちっぱなしでも足腰が疲れにくく、転倒の衝撃を吸収してくれるのもメリットです。またフローリングよりも安価で、木目調やタイル調などデザインも豊富にあります。 

ただ耐久性が低く、家具の重さで凹んでしまったり傷が付いたりしやすいため、定期的に貼り替えなければいけないのがデメリットです。 

フロアタイル

フロアタイルもクッションフロアと同じ塩化ビニールシートで作られており、石目や木目などをリアルに再現した高級感があるのが特徴です。 

フロアタイルにするとおしゃれで落ち着いた雰囲気になるため、高級マンションによく用いられています。水に強い素材のため、トイレや洗面所などの水回りにおすすめです。 

ただ、床材を1枚1枚貼るのでつなぎ目ができてしまい、すき間にゴミやホコリがたまりやすいのがデメリットです。さらに硬い素材であるため、床に直に座る機会が多いリビングや子ども部屋には不向きでしょう。 

カーペット

カーペットは座り心地が良く、温かみのある見た目が特徴です。ウールやアクリル、ナイロン、コットンなどさまざまな素材があり、好みに合わせて選べます。 

カーペットはふわふわした肌触りで、寝転がったり座ったりするのにぴったり。断熱性も高いため、冬場は足元が温かく感じるのがメリットです。遮音性も高く、お子さんがいるご家庭や楽器を演奏する方におすすめです。 

ただホコリを吸着しやすい一方、汚れが絡みつきやすいため、こまめに掃除機をかける必要があります。さらに水を吸い込みやすいため、飲み物などをこぼしてしまったときは雑巾でふき取ってから乾かすなど、手入れに手間がかかります。 

畳はイグサやワラで作られており、和室に良く合う床材です。最近では和モダンな雰囲気を演出できる正方形のものや、さまざまなカラーの畳も販売されています。 

畳は調湿力が高く、室内の湿度を調整してくれるのがメリットです。またイグサには新しく家を建てたときやリフォームをした直後に発生するホルムアルデヒドを吸収し、二酸化炭素を吸収する効果もあります。 

ただ、水に弱く傷が付きやすいのがデメリットです。なお、通気性が悪く湿気が多い部屋ではカビやダニが発生しやすいため、フローリングのほうが適しています。  

床材を選ぶ際の5つのポイント

ここからは、床材を選ぶ際のポイントについて解説します。床材を選ぶときにデザインだけで決める方も多いですが、いくつか注意しなければならないポイントがあります。 

床材を選ぶ際のポイントは次の5つです。

  • ・床材の種類は建築会社によって決められている
  • ・フローリングは特徴が異なる2種類に分かれる
  • ・予算を建築会社と相談しておく
  • ・床暖房を入れる場合は使える床材が限られる
  • ・ショールームで実物を見ておく 

それではそれぞれ詳しくお伝えします。

①建築会社によって床材が決められている

床材の種類は建築会社によって取り揃えが異なるため、あらかじめ用意されているものの中から選ぶようにしましょう。 

建築会社は床材をまとめて購入しているため、ある程度種類が決められています。施工を依頼する建築会社が用意していない床材にする場合はオプション工事となり、追加費用が発生します。 

施工費用をなるべく抑えたい場合は、建築会社からすすめられた床材を選ぶようにしましょう。

②2種類のフローリングがある

フローリングには「無垢フローリング」と「複合フローリング」があります。 

2種類のフローリングのメリット・デメリットは以下の表の通りです。

 

メリット

デメリット

無垢フローリング

・木の香りや手触りを味わえる
・調湿効果がある
・自分で補修できる
・経年劣化を楽しめる

・コストがかかる
・キズが付きやすい
・定期的なメンテナンスが必要

複合フローリング

・無垢フローリングよりも費用が安い
・キズが付きにくく汚れにくい
・デザインが豊富
・防音性が高いものもある

・無垢フローリングよりは耐久性が低い
・調湿効果がない
・自分で修繕できず交換が必要

無垢フローリングは、天然木の風合いが楽しめるのが特徴です。木の香りや感触も感じられるため、部屋でゆっくりとくつろぎたい方におすすめです。 

調湿効果もあるので、ジメジメする梅雨や蒸し暑い時期に快適に過ごせます。ただ複合フローリングよりも価格が高く、キズが付きやすいのでデメリットです。 

複合フローリングはコストを抑えられ、バリエーションが豊富なのが特徴です。キズや汚れが付きにくいため、手入れがしやすいのがポイント。しかし、無垢フローリングと比べると寿命が短く、木材が傷んできてしまった場合は交換しなければなりません。 

③予算を建築会社と相談する

床材の施工料金は、使用する床材の種類や現在使っている床材によって異なるため、予算内に収まるかどうか建築会社に聞いておきましょう。床材によって価格や施工費がバラバラなため、どのくらい費用がかかるのか確かめてみてください。 

とくにリフォームの場合は、新しい床材に替えるときに別途工事が必要になるケースもあるため注意が必要です。たとえばカーペットからクッションフロアに替える場合は、一度はがしてから下地を直し、床材を張り替えなければならず、手間がかかる分施工費が高くなります。 

リフォームの際は、施工の手間があまりかからない種類を選ぶのもポイントです。 

④床暖房を入れる場合は決められた床材を使用する

床暖房は使える床材が限られているため、対応しているものの中から選ぶ必要があります。たとえばクッションフロアやフロアタイルには塩化ビニールが使われているので、床暖房との併用はできません。 

また、床暖房に対応していないフローリングを貼ってしまうと、床材が熱に耐えきれず変形してしまうので、必ず対応できるタイプのものを選びましょう。 

⑤ショールームで実物は見ておくべき

自宅に貼る床材の候補をしぼったら、ショールームに行って直接確かめておきましょう。 

ショールームでは床材のサンプルを見られるので、色合いや肌触りを確認してみてください。カタログを見るだけではわからないこともあるので、実物を見てみてはいかがでしょうか。 

なお、床材は施工面積が大きくなると明るく見えるため、展示品なども参考にして検討してみてください。 

床材が決められない場合の対処法

これまで床材の選び方について解説しましたが、種類や機能がたくさんあってなかなか決められないという方もいらっしゃると思います。 

床材を決められない場合は、次の方法を試してみてください。

  • ・床材のサンプルや施工例を確認する
  • ・プロの意見を参考にする 

自分で考えているだけではわからない場合もあるので、ほかの施工例を見てみたりプロに聞いてみたりして、納得したうえで選んでみましょう。

床材のサンプルや施工例を確認する

カタログを眺めてもピンと来ないときは、前の章でもお伝えした通り、モデルルームやショールームに足を運んでみましょう。サンプルを実際に目で見て手で触れてみた方がイメージしやすくなります。 

また、展示ブースで実際の施工例も確認でき、自宅に貼った場合を想像しやすくなるメリットもあります。サンプルや展示品を参考に、床材のデザインや種類を選んでみてください。 

プロの意見を参考にする

自分だけで決めきれない場合は、プロに相談するのもおすすめです。 

床材を選ぶ際は、床だけでなく壁や天井、家具も含めたトータルバランスを考えて決めると部屋にマッチします。建築士やインテリアコーディネーターなどプロの方に相談すれば、全体のバランスを考えた提案をしてもらえます。 

床材選びに苦戦している方はプロの意見も取り入れ、満足のいくものを選んでみてください。 

まとめ

今回は床材の選び方についてお伝えしました。 

床材を選ぶ際は、建築会社や施工会社にどのような家や部屋にしたいのかイメージを共有しておきましょう。そうすると担当者もイメージに合った床材を提案してくれるので、スムーズに進められます。 

ただ、すべて自分好みに施工できるとは限らないため、担当者と相談しながら決めてみてください。また床材の価格や施工費を確認しておき、予算内に収まるかどうか注意しましょう。 

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