住宅を購入する際に不可欠なのが住宅ローンです。この記事では、様々な住宅ローンの種類を一覧で紹介し、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。

住宅購入を検討している方々は、最適なローン選びの参考にしてください。最も有利なローンを選択し、安心な住宅購入を実現しましょう。

住宅ローンの種類一覧

住宅ローンには多くの種類が存在し、それぞれに独自の特徴があります。以下は、主な住宅ローンの種類とその特徴です。

住宅ローンの種類

概要

公的ローン

公的機関が提供する住宅ローンで国や地方自治体が提供していて、低金利で借入期間が長期

民間ローン

銀行や信用金庫などの民間金融機関が提供している。金利や借入条件は金融機関によって異なり、一般には公的ローンよりも借入条件が柔軟で、高金利

フラット35

国の支援を受けた住宅金融支援機構が提供する固定金利型の住宅ローン。金利が全期間固定で、最長35年の長期間での借り入れが可能

これらのローンを理解し、自分の経済状況や将来計画に合わせて選ぶことが重要です。それぞれのローンにはメリットとデメリットがあるため、慎重に選択しましょう。

公的ローン

公的ローンは、国や地方公共団体が提供する住宅購入のための特別なローンです。これらは、民間の金融機関が提供する住宅ローンとは異なり、住宅政策を通じて国民の住宅取得を支援する目的で設けられています。主に、国の機関や自治体が運営し、所得が低い場合や、初めて住宅を購入する人々に向けた特別な条件や優遇措置が設けられていることが多いです。

公的ローンは一般的に金利が低く設定されていることが挙げられます。これは、公的機関が市場の金利よりも安定した低金利で資金を提供することにより、住宅購入者の負担を軽減することを目的としているためです。

また、返済条件が柔軟であることや、住宅購入に必要な初期費用が少ない点も、公的ローンの大きな特徴です。

メリット

デメリット

l  低金利での借り入れが可能
l  返済条件が柔軟であることが多い
l  初期費用が民間ローンに比べて少ない

l  利用できる対象が限られている(例:低所得者、初めての住宅購入者など)
l  融資額が民間ローンに比べて低い場合がある
l  申し込みプロセスが複雑で時間がかかることがある

公的ローンは特に以下のような人におすすめです。

  • ・安定した収入はあるが、高額な初期費用が用意できない人
  • ・低金利で長期にわたり安定した返済を希望する人
  • ・住宅政策による補助や優遇措置を利用したい人

公的ローンは、一定の条件を満たす住宅購入者にとって非常に有利な選択肢となりえます。ただし、利用する際には、その条件やメリット、デメリットを十分に理解し、自身の状況に合った選択をすることが重要です。

民間ローン

民間ローンは、銀行、信用金庫、住宅金融専門会社などの民間金融機関が提供する住宅ローンのことを指します。これらの金融機関は、公的機関とは異なり、競争原理に基づいてサービスを提供しているため、多様な商品やサービスを展開しているのが特徴です。

公的ローンと比較すると、民間ローンの最大の特徴はその多様性にあります。金利タイプ(固定金利、変動金利)、返済プラン、借入限度額など、顧客のニーズに合わせた幅広い選択肢を提供しています。

メリット

デメリット

l  商品の種類が豊富で選択肢が多い
l  柔軟な返済プランを設定できる
l  審査基準や条件が金融機関によって異なるため、選択の幅が広い

l  金利が市場の影響を受けやすく、変動が大きい場合がある
l  商品が多岐にわたり、選択が複雑になることがある
l  審査が厳しい場合があり、条件を満たすのが難しいことも

民間ローンは特に以下のような人におすすめです。

  • ・特定の金融機関との取引歴があり、そこからの借り入れを望む人
  • ・多様なローン商品から自分に合ったものを選びたい人
  • ・金利や返済条件など、自分のニーズに合わせた柔軟なローンを希望する人

民間ローンは、その多様性と柔軟性により、多くの住宅購入者にとって魅力的な選択肢となります。ただし、自身の返済能力や将来の金利の変動リスクを考慮し、最適なローンを選ぶことが重要です。

フラット35

フラット35は、日本の住宅金融支援機構が提供する固定金利型の住宅ローンです。このローンは、最長35年間の長期にわたり金利が変わらないことが特徴で、安定した返済計画を立てやすいとされています。融資は住宅金融支援機構と連携する民間の金融機関が行い、全国の多くの銀行や信用金庫で申し込みが可能です。

フラット35の最大の特徴は、長期間にわたる固定金利です。これにより、市場金利の変動に影響されずに一定の返済額で計画を立てることができます。他の変動金利型のローンと比較して、金利リスクが低いことが大きなメリットとなります。

メリット

デメリット

l  金利が固定されているため、将来の返済額が予測しやすい
l  最長35年の長期間にわたる融資が可能
l  金利リスクが低く、経済環境の変化に左右されにくい

l  固定金利のため、市場金利が低下した場合に恩恵を受けにくい
l  審査基準が厳しい場合がある
l  初期費用が他のローンに比べて高い可能性がある

フラット35は以下のような人におすすめです。

  • ・長期にわたる固定金利での安定した返済計画を希望する人
  • ・経済環境の変動による金利リスクを避けたい人
  • ・中古住宅の購入やリフォーム資金の融資を考えている人

フラット35は、その固定金利の特性上、長期的な住宅ローン計画を安心して立てたいと考える人にとって有利な選択肢となります。ただし、借入れ時の市場金利や自身の経済状況を考慮し、他のローン商品と比較して最適な選択をすることが重要です。

また、フラット35は団信が任意加入となっております。通常は民間の金融機関が提供する住宅ローンの場合は、団信加入が必須です。そのため、病歴のある方は審査に否決されてしまいます。しかし、フラット35は任意加入であるため、病歴がある方でも融資可能な点が魅力と言えるでしょう。

住宅ローンの仕組み

住宅ローンは、自分の住むための家やマンションを購入する際に、金融機関からお金を借りるための制度です。銀行やその他の金融機関から不動産購入のための資金を借り入れます。住宅ローンを利用することで、多くの人が大きな金額の不動産を購入することが可能です。しかし、単に資金を借りるだけではなく、その返済方法や条件は多岐にわたります。

例えば、住宅ローンの返済計画には、元金均等返済や元利均等返済など、様々な方法があります。これらは返済のペースや総返済額に関わっています。また、固定金利や変動金利など、金利の種類によっても返済額は変動します。

特に長期にわたるローンでは、金利の違いがトータルで見ると大きな差となることがあります。これらの要素を理解し、自分の経済状況や将来計画に合わせて適切なローンを選ぶことが重要です。

参考:https://anasumai.jp/useful-information/glossary/post-55.html
関連記事:住宅ローンとはどんな仕組み?種類や流れをわかりやすく解説!

住宅ローンの選び方

住宅ローンを選ぶ際には、様々な要素を考慮する必要があります。まずは、金融機関の選択です。大手銀行、地方銀行、信用金庫など、様々な金融機関が住宅ローンを提供しています。各機関にはそれぞれ特色があり、金利やサービス、審査基準などが異なります。

また、金利の種類を選ぶことも大切です。固定金利は、将来の金利変動リスクを避けたい場合に適しています。一方で、変動金利は、低金利期には有利ですが、金利が上昇するリスクを伴うことを忘れてはなりません。

ローンの種類によっては、フラット35などの長期固定金利型ローンや、リバースモーゲージローンなど、特定のニーズに合わせた商品も存在します。これらの選択肢を比較して、自分の生活スタイルや将来の計画に最も適した住宅ローンを選ぶことが大切です。

  • ・金利タイプで決める
  • ・返済方式で決める
  • ・ローン形態で決める

金利タイプで決める

住宅ローンの選択において、金利タイプは重要な判断基準の1つです。住宅ローンの金利には大きく分けて「固定金利」と「変動金利」があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。金利タイプを選ぶ際のポイントは、自身の経済状況、市場の金利動向、返済計画の安定性などを考慮することです。以下のような判断基準で選択すると良いでしょう。

  • ・安定した返済計画を希望する場合は固定金利がおすすめ
  • ・短期間での返済や金利下降を見込む場合は変動金利が適している
  • ・経済状況の変化に柔軟に対応したい場合は、固定と変動の組み合わせも考慮

それぞれの状況や目的に合わせて最適な金利タイプを選択することが大切です。金利タイプの選択は、住宅ローンの返済負担や将来的な経済状況に大きな影響を与えるため、慎重に検討することが求められます。

変動金利

住宅ローンを検討する際、多くの方が直面する重要な選択の1つが金利のタイプです。変動金利は、その名の通り、市場の金利の動向によって定期的に見直される金利タイプです。このシステムでは、経済情勢や中央銀行の政策金利の変動に伴い、お支払いの利息が増減します。これは、固定金利のローンとは対照的で、固定金利では借入期間中の利息が固定されて変わりません。

また、変動金利は、固定金利や固定期間選択型金利と比較して、市場金利が低下した時には有利になる可能性があります。

一方で、市場金利が上昇すると支払い利息も増加するリスクがあります。固定金利は、金利変動のリスクを回避できますが、市場金利が低下した場合にはその恩恵を受けられません。固定期間選択型金利は、一定期間固定金利の後、変動金利に切り替わるため、初期のリスクを減らしつつ、後期に市場金利の変動に対応するという特徴があります。

メリット

デメリット

l  市場金利が下がれば支払い利息も減少する
l  初期の金利が固定型よりも低い傾向にある
l  柔軟な返済計画が可能

l  金利上昇リスクがある
l  返済額の予測が困難
l  経済情勢に左右される

固定金利

固定金利の住宅ローンは、借り入れから完済までの期間にわたり、金利が一定であるローンのことを指します。この金利タイプは、契約時に定められた金利が変わらないため、返済計画を立てやすく、未来の金利変動リスクから守られます。

固定金利と比較対象となる主な金利タイプには、変動金利と固定期間選択金利があります。変動金利は市場の金利動向に応じて金利が変わり、固定期間選択金利は一定期間固定後、変動金利に移行します。これに対して固定金利は金利が変動しないため、金利上昇リスクを避けたい方とっては安心です。

メリット

デメリット

l  将来の金利上昇のリスクを回避できる
l  長期的な家計計画を立てやすい
l  返済額が一定

l  市場金利が下がっても、固定された高い金利を支払い続ける
l  金利変動リスクを金融機関が負うため、変動金利よりも高めに設定される

返済方式で決める

住宅ローンを選ぶ際、返済方式の選択は非常に重要です。返済方式は、借り入れた金額をどのように返済していくかを定める方法であり、ローンの総コストと毎月の返済額に大きな影響を与えます。

返済方式を選ぶことは、将来の返済計画に直結するので注意が必要です。異なる返済方式は、返済額の安定性、返済期間、金利の影響の受け方など、様々な面で影響を及ぼします。適切な返済方式を選ぶことで、経済的負担を軽減し、家計に無理なく組み込むことが可能です。

返済方式を選ぶ際の基準には、以下のような点が挙げられます。

  • ・収入の安定性
  • ・将来の収入見込み
  • ・家計の負担度
  • ・返済期間
  • ・金利の動向

返済方式には大きく分けて、元利均等返済と元金均等返済があります。住宅ローンを選ぶ際には、これらの返済方式を自分のライフスタイルや将来計画に合わせて選ぶことが重要です。経済的な状況や家計の状態を考慮し、最適な返済方式を選択することで、安心して住宅ローンを利用することができます。

元利均等返済方式

元利均等返済方式とよく比較されるのは元金均等返済方式です。元金均等返済では、元金の返済額が毎月一定で、利息が残高に応じて減少するため、返済額が徐々に減っていきます。これに対し元利均等返済では、返済額が始めから終わりまで一定であるため、家計管理がしやすいという特徴があります。

メリット

デメリット

l  毎月の返済額が一定で、家計の計画が立てやすい
l  返済額の変動がなく、長期的な予算管理が容易
l  初期の返済額が元金均等返済方式よりも低く抑えられる

l  利息の支払い総額が元金均等返済方式よりも多くなることが多い
l  初期では利息の返済が多く、元金がなかなか減らない
l  返済期間が長いと金利変動の影響を受けやすい

元金均等返済方式

元金均等返済方式は、元金の返済額をローン期間全体で均等に分割します。この方式では、返済期間中の毎月の元金の返済額が同じですが、利息は残る元金額に応じて計算されるため、徐々に返済総額が減少していきます。

元利均等返済方式と比較して、初期の返済額が多くなりますが、返済期間を通じて総返済額は少なくなる傾向があります。この方式は、返済初期に比較的多くの元金を返済するため、ローンの残高が速く減少し、利息の負担が少なくなるのが特徴です。

メリット

デメリット

l  返済期間全体で見た場合、利息の総額が比較的少なくなる
l  初期から元金を多く返済するため、借入残高が速く減少する
l  元金が減少するにつれ、支払う利息も減るため、トータルの利息負担が少なくなる

l  返済初期には元金の返済額が大きいため、財務的な負担が大きい
l  初期の高い返済額が家計に大きな影響を与える可能性がある
l  収入が将来的に増加することを前提とした計画が必要と影響を受けやすい

ローン形態で決める

ローン形態は、住宅ローンの全体的な条件を定める基礎となります。例えば、金利の種類(固定金利、変動金利)、返済方式(元利均等返済、元金均等返済)、ローンの期間、繰り上げ返済の条件などがローン形態によって異なるので注意してください。選択する際の基準としては、以下のような点が挙げられます。

  • ・収入の安定性や予測可能性
  • ・金利変動リスクなどの市場変動に対する許容度
  • ・ローンの期間や返済額に対する希望
  • ・将来的な貯蓄計画や他の財務目標
  • ・税制優遇や補助金などの利用可能な特典

長期的な財務計画を持つ人は、繰り上げ返済の特典があるローン形態を選ぶと、将来的にローンの負担を減らすことができます。

ペアローン

ペアローンは、夫婦やパートナーなど、共同で、住宅ローンを組む方法です。このローン形態では、共同申込者の収入や信用情報を合算し、ローンの審査が行われます。ペアローンは、主に夫婦間や親子間で利用され、共同で住宅を購入する際の資金調達手段として選ばれます。

一般的な単独名義の住宅ローンと比較して、ペアローンは二人の収入と信用情報を基に審査されるため、より大きな額の融資を受けやすいのが特徴です。また共同名義での借り入れのため、一方が支払い不能になった場合にも、もう一方が返済を続けることができる安心感があります。

メリット

デメリット

l  より大きな金額のローンを組むことが可能
l  共同申込みにより、審査通過の確率が高まる
l  一方が支払い不能になってもリスクを軽減できる

l  一方の支払い不能が他方に影響を及ぼす
l  関係の変化が返済に影響を及ぼす可能性がある
l  一方の収入が減少すると、もう一方に大きな負担がかかる

リレーローン

リレーローンは、一般的には親から子へ住宅ローンを引き継ぐことを指すローン形態です。この方式では、親が住宅ローンを組み、将来的に子がそのローンを引き継ぐという形で住宅購入が行われます。親子間で住宅ローンをスムーズに引き継ぐことができるため、家族での住宅購入計画に適しています。

リレーローンは、一般的な住宅ローンやペアローンとは異なり、ローンを引き継ぐのが特徴です。通常の住宅ローンでは借り手が一貫していますが、リレーローンでは途中で借り手が変わります。これにより、世代を超えた住宅の購入計画が実現可能になります。

メリット

デメリット

l  親から子への住宅ローンのスムーズな引き継ぎが実現
l  子の初期の財務負担が軽減される
l  子の収入や資産状況に応じてローンを引き継ぐタイミングを選べる

l  子がローンを引き継ぐ際に、金利や条件が変更されるリスクがある
l  親子間での計画と合意形成が必要
l  子の収入や信用状況によっては、スムーズな引き継ぎが難しい

収入合算(連帯債務型・連帯保証型)

収入合算の住宅ローンは、主に夫婦や親子などの親族間で、収入を合算してローンを組む方法です。この中でも、連帯債務型と連帯保証型があります。連帯債務型は、複数の借入者が共同で債務を負う形式で、全員がローンの返済に対する責任を共有します。

一方、連帯保証型では、主たる借入者が返済を行い、その人が支払い不能になった場合に限り保証人が返済義務を負う形式です。

単独でローンを組む場合と比較して、収入を合算することでより高額なローンの組成が可能です。また、連帯債務型では全員が平等に債務を負うため、信用力が高まり、より好条件でのローンが期待できます。一方で、連帯保証型は主借入者に何かあった場合のリスクをカバーする形式であり、保証人にも一定の責任が及びます。

メリット

デメリット

l  収入を合算することで、より大きな資金調達が可能
l  複数の収入源があるため、金融機関からの信用度が上がる
l  複数人で返済責任を共有することで、一人にかかる負担が軽減される

l  一人が支払い不能になると、他の借入者にも返済義務が及ぶ
l  家族間の関係が変化した場合、返済に影響が出る可能性がある
l  家族間で財務状況の変化があった場合、それに伴う負担が共有される

まとめ

金利の種類や返済方式は、それぞれ独自の特性やメリット、デメリットを持っています。そのため、これらの違いをきちんと把握し、自分の状況に最も適した住宅ローンを選択することが重要です。

さらに、毎月のローン返済を計画する際には、家庭の収入と支出をしっかりと考慮し、負担にならないような返済額に設定することが肝心です。

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